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Cafetalk Tutor's Column

Abemomo 講師的專欄

小説:裸の王様な男 1/2

2019年9月9日

1話 20代の過信

谷藤は大学卒業後、外資系保険会社に入社した。しかし、融資部に配属された谷藤には保険の知識は大してない。他の業界に勤めているサラリーマンに毛が生えた程度だ。少なくとも実際に保険を売っている代理店経験者には勝てない。

勤めてから6年ぐらい経った頃、ビジネスモデルコンクールがあって、たまたま賞を取った。それが裸の王様人生の始まりだった。

 

自分の力を過信した谷藤は早速独立起業した。自分の作ったビジネスモデルに基づいてFPと相談者のマッチングサイト「FP CUP」を作った。FPの登録料とわずかな広告料が収入源で、マッチングが成立した際のFPの相談料からマージンを取るつもりはなかった。その時点で見積もりが甘いのだが。。。

最初の数か月はプロモーションのためFPを無料で招致したため、順調そうに見えていた。

 

矢部は、そんな時に出逢った。さっそく契約を交わし登録FPとなった矢部はすぐに頭角を表した。お客さんからwebで寄せられた質問に無料で答えるコーナーがあって、矢部はいつもまめに返信をしていたので、回答者ランキングで常に上位に表示された。

 

矢部が保険の代理店業務をやっていたことは、当然最初に谷藤に伝えてある。しかし、何を血迷ったのか、谷藤は矢部に保険のアドバイスを始めた。「契約者貸付制度というのがありましてね・・・」

もう一度言う。谷藤は保険は詳しくない。少なくとも代理店業務をしている人間にアドバイスできるような立場ではなかった。

しかも、矢部は谷藤の大学の先輩でもあった。

これには、温厚な矢部もイラッときた。

 

ある時、矢部はフェイスブックに愚痴をこぼした。FP CUPで他のFPの回答態度が良くなかったのだ。お客さんに根掘り葉掘り聞くだけ聞いて答えない。相談業の人間として、それはやってはいけない。そんなことを書いたのだ。もちろん、個人名など挙げていない。

これを見た谷藤が噛みついてきた。誹謗中傷である、個人攻撃であると。

 

さらに、もう一つ事件が起こった。

矢部はFP CUPの相談内容を自分のブログに載せていた。それを無断転載といちゃもんをつけ、それを理由に一方的に契約を解除してきたのだ。「知らなかったでは済まない。きちんと回答してください」そんな生意気なメールを送りつけてきた。

しかし、契約書にはこう書いてあった。「登録者の提供情報について、提供した登録者自身が使用することを許諾します」

矢部は念のため弁護士に確認したが、弁護士の回答はもちろん「自分のブログに載せて全く問題なしであるし、これを理由に契約解除は不当」さらに、対価を得ていないのであれば、著作権譲渡条項は有効ではなく、むしろ谷藤が勝手に使っているということであった。

谷藤は自分で作った契約を自分で理解していなかったのだ。まったくお粗末な話だ。

「知らなかったのはお前だよ」矢部もいい加減怒りを隠せなかった。

 

「矢部さんには信頼性を失っております。」などと啖呵を切って一方的に契約を解除した谷藤は、その後真摯に謝罪してくるなどということはなかった。

 

 

 

專欄文章僅代表作者個人觀點,不代表咖啡滔客的立場。

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