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Cafetalk Tutor's Column

中村勇太 講師のコラム

バイオリンは右手でも持っている

2020年5月14日




バイオリンを初めて手にすると、顎当てを見て、
そこにほっぺを当てて左肩をあげたり、ギュッと顔と肩で挟んでしまう人が多いと思います。

 

そういう奏法がないか、と聞かれたら確かにそういう奏法や、そういったメソッドの方もいらっしゃいます。

 

とくにそういう指示をされていない場合でも、そういうものなんだ、と思って肩当てを購入し、つけることもあるでしょう。

 

しかし、100年前の人は首が長い人も、顔のエラがない人も肩当てはしませんでした…
もっというと、奏法が発達する前は顎当てもなかったんですね。

 

伝統的な弾き方では、ヴァイオリンは鎖骨に載り、左手のある場所で支えます。
これは有名なモーツァルトのお父さん、レオポルド・モーツァルトの記した教則に書かれています。

 

しかし、経験者はここで気付きます。

「それじゃあ、ヴィヴラートをかけたら、弓がバウンドしちゃうんじゃないの?」

 

いいえ!

弓の軌道が、弦と直角に交わり、しっかりと弦を弓の毛が掴むようにコントロールできていれば、楽器が前後左右に揺れても、楽器は落ちませんし、弓もブレません。

オーケストラの動画で、百戦錬磨のおじいちゃん奏者をじっと見てみましょう。
楽器は揺れています。 

 

左肩を下げる、首を真っ直ぐにする。

これだけのことが大変繊細で難しいですが、自然な呼吸によって得られるグルーヴ感、フレージングは絶対に大切なものです。

肩当てをする時も、ぴったりの高さにしてしまうと、肩の運動が阻害されます。
自然な呼吸ができるように調節しましょう。

もちろん、そう簡単にはできません。
でも、正しい方向を向いて取り組むことが、正しい成長をもたらすはずです。 

 

練習はリハビリのように、感覚を限界まで開いて、ぎこちなく頑張っていきましょう。

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