こんにちは!バイオリン講師のSatoriです。
突然の告白ではありますが、実は私は高校生の時にバイオリンを辞め、それ以降も音楽の勉強を続ける気は全くありませんでした。
中学高校時代は吹奏楽部でクラリネットばかり吹いていましたし、大学受験の際も、もちろん音大ではなく総合大学、それも音楽とは全く関係のない学部に進学するつもりでいたのです。
大学入学に至るまでの話をすると大変なボリュームになってしまうので割愛しますが…(また機会があればコラムにするかもしれません)…紆余曲折あり、結局教育学部の音楽専攻に入学しました。
昔から教員という仕事(音楽科ではありませんが)にも興味はあったものの、大学での勉強を進めるほどに、自分が本来学びたかったことへの憧れが強くなり、大学再受験というところまで真剣に考えました。
大学3年生時の実習が終わると、同期が採用試験の勉強をしている傍ら、1人センター試験対策をしている期間もありました(笑)
しかしある時、『このままバイオリンを手放してしまうのはもったいないのではないか』と思いはじめたのです。
何か決定的なきっかけとなる出来事があったわけではありません。
ただ、突然そう思い立ったのです。
『バイオリンを続けたい』
私がそう思ったのはなんと学部4年生になってから。
親に勧められるままにバイオリンを習いはじめ、特に志も持たぬまま何となく続けてきたバイオリンが、初めて『自分にとって非常に価値のあるものだ』と感じられた瞬間がありました。
そうしてようやく、バイオリンと向き合う決意したのでした。
とはいえ、大学院在学中も、無限とすら思われる将来の選択肢を前に迷ってばかり。
ふとした瞬間に襲いくる漠然とした不安から逃げるように、ひたすら目の前のことに取り組む日々でした。
演奏活動、採用試験、国内外のプロジェクト参加、旅行、、、などなど。
当時は現実から逃げるようにいろいろな場所へ出かけていましたが、今となっては時間をかけた分だけ自分の人生の糧になっているように思います。
学生時代は特に、自分のために使える時間が多い時期。
時には失敗したり、無駄に思えるようなことも少なくありません。
しかしどんな経験も自分の歩んできた人生として、確かに積み重なってゆきます。
『人生は足し算』
事あるごとに「あれもできない、これもできない」といってネガティブになってしまうあなた!
人生に引き算はありません。
ただ自分が時間を、想いをかけた分だけ、着実に自分の中に蓄積されていきます。
人生は回り道あってこそ味が出る!
正直、もっと小さい頃から真面目にバイオリンやっておけばよかった!と思わないわけではありません(笑)
小さい頃から膨大な時間をかけてようやく手に入る技術やセンスというものも確かにあります。
それでも私には、数々の回り道をしてこそ手に入れられる大切な経験があり、年輪のように積み重ねてきた多くの経験が、私を私たらしめているのです。
人は皆、その人が歩んできた『まさにその人生』があってこそ出せる音を持っているのだと信じています。
それにしても、もう少しでいいからバイオリンも練習しておいて欲しかった!過去の私!笑