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Cafetalk Tutor's Column

Tutor caoli 's Column

陰鬱読書2

Oct 6, 2020

最近読んだ韓国関係の本たちがどれもこれもとても暗くて秋の夜長にピッタリでした。

「韓国がもっと好きになる!」「韓国が身近に感じられる!」系の本とは真逆の、
韓国との心理的ディスタンスが遠くなること請け合いの本たちなので、
韓国との心理的蜜月状態を維持したい方は絶対に読まないでください。

※以下個人の感想です

안은별『IMF키즈의 생애(IMFキッズの生涯)』

読んでみるとIMF関係なくね?と突っ込まずにはいられない本ですが、
内容自体は面白い。
『90년생이 온다』の80年代インタビュー中心バージョン(陰&鬱)という感じ。
80年代生まれ7人のインタビュー集で、著者も80年代生まれなのでたまに入る著者のツッコみや解説も面白い。
女性、地方出身者、性的マイノリティなどなど色々な属性の人たちが出てくる。
ソウル首都圏出身、もしくは地方出身で大学進学とともに上京してきた80年代生まれは自分の周りにたくさんいるのですごく감이 잡혔는데, 
地方出身者で大人になってもずっと地方在住、という人はあまり身近にいないので흥미로웠음.

そしてインタビュイー全員がカジュアルに「死にたい」とか「自殺を考えたことがある」みたいな話をしているのがとても韓国っぽい。

韓国人と韓国社会は極端で、中間があまりない。
韓国に住んでた頃も「韓国人って躁うつっぽい人が多いな」と感じていましたが、
この本を読んでやっぱり同じことを思いました。

感情も考え方も極端だし、社会も極端。
inソウルかそうじゃないか、
inソウルの四大卒かそうじゃないか、
正規職か非正規職か、
保守か進歩か、
男か女か
ガリかデブか
整形美人か整形してない不美人か

辛すぎて草生えるんだが・・・

でも外国人(先進国出身者か途上国出身でも富豪)は楽しいと思う、
同じ韓国社会に生きていたとしても、結局我々はただの외국인なので。

目線は韓国人と一緒だけど相手(韓国人)はテコンドーのリング(?)にあがっていて、
自分は実は観客席にいた、的な。

외국인だからということで社会的逸脱行為も多少容認されるし、
日本人女性は年いってようが多少不美人だろうがたいていモテるし、最高じゃん?


佐藤大介『オーディション社会韓国』

韓国のオーディション番組の話多めかな?と思って読んだらひたすら暗い社会問題の話で陰&鬱

教育、競争、学歴、自殺、家庭崩壊・・・

キーワードだけ見たら救いようなくて草

스펙쌓기の話や公務員試験準備の話は小説『마르타의 일』にも出てくるので、
『마르타의 일』のメインはそこじゃないけど、多少雰囲気を味わえるかも。

「카페」と言ったら日本人は普通コーヒーを飲むところだと思うでしょう、
韓国の「카페」にはもう一つ意味があるんですよ・・・

ところで韓国小説読んでいると、大抵みんな家庭崩壊していたり、
親子関係が悪かったり、子どもが一方的に親を(稀に親→子ども)憎んでたり嫌っていたりする設定多くないですか?
「韓国人は家族愛が強い」という日本でよく聞く言説は何だったのかと思わされます。
韓国人の自殺理由の上位に「家族問題」が来ることから見ても、
「韓国人は家族愛が強い」は古いステレオタイプで結局は「人による」ということなのでしょう・・・

ちなみに今同時進行で読んでいる本が신경숙『엄마를 부탁해』と牧野愛博『ルポ絶望の韓国』なんですが、
『엄마를 부탁해』はまだ最初のところですが既に暗いし家族も不仲くさくて今後読むのどうしよう・・・という雰囲気、『ルポ絶望の韓国』はタイトルだけでもう絶望感でいっぱいです。(でも読む)


韓国は地理的に近いし文化や情緒的にも日本と近いと思われがちですが(実際他の国と比べたらそうなんだとも思いますが)、
本など読んでいると(そして自分の実体験からも)本質的に日本とは全く違う国・社会で、
日本人とは考え方も全く違う異民族なんだなと思うことも結構ある。

韓国語と日本語もすごく似ているようで実は全然違う言語だし。

でもだからこそ面白いということをお忘れなく。

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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