「うわぁ〜それ完全に洗脳されてるね」
昔の職場の話をしていると妻がそういった。
私が昔働いていた職場はだんだんと給料の支払いが遅れていった。
最初の頃はたまに半月遅れるぐらいだった。
それがだんだんと頻度が上がっていき、半月遅れが当たり前になっていった。
遅れだした頃は一人一人に手紙で現状の報告と謝罪があったものの、毎月毎月遅れるのが当たり前になるにつれて、電話での報告、紙の張り出し、私が辞める月には給料日に何も報告もなくどうなっているのかを問いただしたぐらいだった。
周りのスタッフに連絡があったか尋ねてみると、「そういえば給料日だったね」っと半月遅れるのが当たり前になっていた。
私が仕事を続ける事に限界を感じた出来事がある。
給料が遅れているのが日常化したある日、
社長から子供達を連れてサファリパークに行っていいと連絡がきた。
それを知った二人ぐらいのスタッフが「よしっ!」っと喜んでいる傍ら、私は「そんな事より給料払えよ」って内心思っていた。
幼児を相手にする仕事だったので、子供達が喜ぶのは嬉しい。
でも、納得がいかない。
喜んでるスタッフを見て
「こんな人達が仕事を続けていくんだろうなぁ〜」
って思った。
自分にはそんなに自己犠牲を払う事は出来ない。
スタッフとの温度差を感じた。
その話を妻にしたら冒頭にある
「うわぁ〜それ完全に洗脳されてるね」
って言われたのである。
ぶっちゃけ自分は洗脳されているって感覚はなかった。
単純に本当にこの人達は子供が好きなんだろうなぁ〜って感覚だった。
でも外からみたら洗脳されているようにみえる。
『洗脳って一体なんだろう?』
それはきっと外からみて当たり前じゃないことを何度も、何度も繰り返す内に、その人に取って当たり前になってしまう事なのかもしれない。
外から見ている時はその人もおかしいと思っていた。
でも、内に入るとおかしいと思っていた事がおかしい事じゃなく当たり前の事なんだと認識した時、外からみて洗脳されているように感じる。
正直。中にいる人はわからないよ。
外から救ってあげようと努力しても外からの声は聞こえないよ。
自分で気づいて抜け出すしかない。
でもね、洗脳って全てが全て悪い事ではないと思うんだ。
その人が良いと思っている事だから。
その時はきっと幸せだよ。
後、ちょっと興味本意で想像してみて欲しい。
地球の外から見たらわたし達地球人はみんな洗脳されているよ。
地球の中にいるからわからないだけだと思う。
日常生活生きていて何かがおかしいと感じたら時には常識を疑ってみてもいいかもね。
変わりたくない人は疑わなくていいよ。
変わりたい人は疑ってみたらいい。
疑いから歪みが出来て変化が生まれる。
変化の波に乗るのも自由だし、乗らないのも自由だ。
自分で決めてね。