新年あけましておめでとうございます。
大変な世の中でも、美しいものを大切にして、心身の平穏を保ちたいと思います。
さて、コロナ禍で話題になったオンラインレッスン。
もともとやっている立場としては、そのメリット、デメリットともよくわかっています。
また、そのデメリット、疎かになる面をどうケアするかも明確にできていると思います。
昨年は、オフライン開催の発表会が延期、さらに中止となり、オンラインコンペティションという新しい形式が登場しました。
また、質疑応答も含めた室内楽、アンサンブルのセミナーにもチャレンジしてみて、大枠の説明や考え方の提案もできると感じています。
ここにきて一つどうしたものか、と考えているのが、課題曲。
レッスン課題曲は童謡や小品、小さなコンチェルトやソナタ、無伴奏、大きなコンチェルト、技巧曲...分類すれば星の数ほど細かくできる括りがあります。
それは闇雲に選ぶわけではなくて、進度や習熟度も考慮して、その時その生徒さんに何が必要かを整理して選びます。
また、名伯楽のZさんの「初歩から大曲まで1人の先生が指導できるのが理想」というのは、僕ももっともなことだと考えています。
テクニックや音楽の理解を、誰しもが同じ順序で進められない。それを最終的に、一人で譜読みから披露までできる回路を作ること、そのメンテナンス方法を習得する、もっといえばより進化させる基本を、指導者が数年単位で見据えることが必要です。
特にヴァイオリンにおいて、後回しにされがちなのがピアノなど他の楽器と対話するソナタ、室内楽。
無伴奏でも披露できるメロディではなく、全てのパートで初めて音楽になるもの。
きらきら星から大きなコンチェルトまで、本来はその視点なしにより良くすることはできません。
で、この段階にいる生徒さんの披露の機会が、仮にオンラインになってしまって、仮に伴奏者が同席できないとなったら...そう、音楽として成り立ちません。
リモート合奏?
いえいえ、いやいや、ソナタってそんなものではないのです。四つに組む音の扱いは呼吸なので、ただ合わせようとするアプローチはいけません。
となると、発表会がどうなるかわかるまで、無伴奏の曲も並行していく...というのがベターな手段。
無論、そういう時のために「一生一緒に過ごせる曲」を早いうちから渡しているわけです。
とはいえ、生徒さんは一生毎週レッスンを受けるわけではないですから、どこかで親離れというか(小さい頃からやってきて社会人くらいかなぁ)のタイミングを考えながらレッスンをしています。
もちろん、熟練の方でもレッスンにいらっしゃるので、必ずしもレッスンを受けることに終わりはないです。
しかし、指導者としては完成というか、大枠を固める段階を常に見据えていなければ生徒さんの成長はありません。
今回のコロナ禍2年目でそのあたりの配慮が非常に難しいなぁ、と思いながら熟考の年明けです。