いつもの生活に世界のスパイスを。

Cafetalk Tutor's Column

JunkoK 講師のコラム

54字の物語を読み解く(生徒作品集)

2021年6月1日

 

最近、授業で紹介している「54字の物語」
"54字"という縛りはSNS由来のようですが、短小説から想像を広げていくのは面白いです。

今日は、友達同士でグループクラスに参加してくれている中学2年生(インターナショナルスクール在学)の男の子3人組の、小説家顔負けの短作文を紹介いたします。
友達と一緒なので、いろいろ刺激を与え・与えられ、クラスは和気あいあいとしています。

お題はこちらに2題↓
☆下の小説のあらすじを説明しましょう。(PHP研究所 超短編小説『54字の物語』より)

【作品①】
平和?人々は安心しすぎている、違うものを見ている。

僕はこんな街で毎日命懸けで戦っているというのに、人々はそれを知ろうとはしない。
今日も朝は早起きだ。真っ暗だ。
話によると今日が一番激しい戦いになるという。
戦友に幸運を祈り、僕は戦いへと出発するのであった。

ついたら僕はいつもとの違いにすぐ気づく。
今日はやけに静かだな。
すると空からのエンジンの音が街に鳴り響く。

爆弾だーと誰かが叫ぶ。

それからは一瞬だった。
すごい量の煙が僕に迫ってくる。
恐怖で足は動かず、ただ僕はその光景を目にし、涙が出そうになるぐらい悔しかった。

だけど今はもう涙も出せない。
...
情景、感情を想像し、文章にしていく。はじめは真似でも構わないのです。
面倒に感じる「想像しましょう」という作業も、繰り返していくうちに「楽しい」と言ってくれるようになります。
彼も毎回、楽しんで文章を書いてくれます。最後の一文は、彼は考えに考え抜いて「小説の書きかけ(未完)」を表現したとのこと。彼の作文表現にはいつも唸らせられます、参りました(中2Aくん)
...

【作品②】
 先日、佐藤博士の研究室に大きなエビが送られました。おいしそうに見えたので、佐藤博士はさっさとエビロールを作って、友達と一緒に食べました。

 食べた後、佐藤博士の研究室に届くはずの新種生命体のサンプルが来ていないことに気づいて、手紙を使って、新種生命体はいつ届くのかを聞きました。

(略)

博士は、
「また間違えて貴重な物を食べてしまった・・・」

とため息をつきました。
 佐藤博士は、新種生命体を送ってきた博士に

「エビ型新種生命体と、数か月前に間違えて食べた新種のカキを弁償します。」
といいました。…が、お金は合計ドルで6桁!
結局お金がなくて払えませんでした。

(全てのお子さんに言えるのですが)日本での就学経験がなくても日本語でこの長さの作文が書けるのは、
ご家族の日本語フォローの賜物です。本当に素晴らしいと思います。少なくとも私には、英文でここまでの物語は作れません。

『手紙を使って』という表現が、英語脳っぽいなぁ。と感じました。…英語表現と日本語表現、直訳すると(あれ?)ということもあります。Hot water(あつい水=お湯)など。そのような語彙表現の違いを知るとともに、日本語の表現に慣れてほしいです。
(略)の後の「また」以降は彼の独自のアイディアです。

初回の授業では3行くらいの長さだった作文が、ちょっとしたひらめきから、わき水のようにあふれてくる文章・・・
食べてしまったのは、新種生命体だけではなかった?!というオチ、
「払えなくて、どうなったの?」と聞いたところ、この作品はまだ未完とのこと!完成を楽しみにしています笑(中2Bくん)

【作品③】
 一年間計画を立てて、何回も海に潜って見つけようとしていた。でも見つからない。

 この一週間で、目撃された新しい新種生命体を見つけないとクビになると、社長が博士に言った。毎日海の底に十時間以上潜っていても何にも見つからなかった。ところが、締め切りの最後の日にやっと一匹捕まえた。信じられなくて、嬉しくて泣いてしまった。博士は急いで、新種生命体を研究所に送った。

 ところが、研究者がその新種生命体のサンプルを、お土産と勘違いして食べてしまった。博士は怒って研究所に入ってきた。
「新種生命体を食べたって、どういうことだ!」

と博士が研究者に怒鳴った。

「エビに似ていてお土産だと思っていたので、生で食べてしまいました、すみません。」

と研究者が言った時、博士は気が付いた。新種生命体は食べていいかだめか、まだ試していないのだ。研究者が心を読んでいたかのように、急に

「すみません。ちょっとお手洗いに行ってきます。」

と言って、ものすごい速さでトイレに走った。
(略)
 博士は、新種生命体を補償してもらって、家に帰ることにした。

 その次の日、補償と書いてあった箱が博士の家に届いた。その箱は、クーラーボックスの中にエビが3匹入っていた。博士は手紙を後で読むことにして、ちょうど12時だから昼ご飯はエビにすることにした。昼ご飯を食べ終わるときに、手紙を開いて読みだした。

「この箱の中に、最後の新種生命体3匹入っています。博士に研究してもらうことになりました。」

  これを読んだ博士は、社長から逃げるため飛行場に行って違う国に旅立った。


彼は作文クラスを通して、『文章のはじめとおわりの重要性」を理解してくれてたようです。彼の作文は、いつも書き出しが魅力的で、読み手を引きつけます。
中略部分は、お手洗いの中の生々しいシーンが書かれていました(笑)それもまた個性。中学生らしくて良し!(中2Cくん)

お気軽にご質問ください!