勉強をしていて、自分がどこまでしっかり理解できているかを把握していますか?
受験は、第三者から評価されるテストなので、自分目線だけでできている、できていないの評価をすることは必ずしもよいとはいえません。
少し厳しいかもしれませんが、「第三者」から見ての、自分の立ち位置、習熟具合をしっかり把握しましょう。
そのさいに、学習の習熟度を確かめる方法があります。
アウトプットをすることです。
これは、自分自身の理解度を図るうえでとても効果的です。
解いた問題をスラスラと第三者が聞いてもわかりやすく説明できていれば、その問題に関してしっかり理解できていると判断してよいでしょう。
一度、その問題に対して説明をしてもらえば、説明している本人も、聞いている人にも、その問題に対しての本人の理解度、習熟度がすぐにわかります。
つっかえつっかえの説明になれば、その瞬間に理解できていないことが露呈しますし、逆に淀みなく答えることができれば、その問題は理解できています。
そしてその状況が否応なく、判断できてしまいます。
アウトプットを、日々の学習に取り入れることには4つの大きなメリットがあります。
アウトプットのメリットの一つめとして、沢山の知識量が必要になる点が挙げられます。
なぜなら、人に知識を伝える以上、自分に知識がないと、相手に何も伝えることはできないからです。
いやでもインプットを頑張らざるをえなくなります。
アウトプットを意識することで、知識の獲得量が格段にあがります。
アウトプットの2つ目のメリットとして、知識の精度があがる点です。
獲得した知識自体も、人に伝えるために、より正確であることが要求されます。
ただ単に知識を得ただけでは、重要な知識とそうでない知識、あやふやな情報、不正確な情報が混ざっています。
人に伝えることを意識することで、獲得した情報が本人の中で選別されます。
情報に優先順位がつくということです。
そして、体系化されていきます。
知らず知らずのうちに、知識が整理整頓されるのです。
アウトプットのメリットの3つ目として論理力が身につく点があげられます。
人にわかるように伝えるためには、今まで学んだ知識を論理的に組み立てる必要があります。
習った知識をただ羅列しただけでは、他人に伝わらないからです。
人に伝えるには、人を説得できる論理構成が必須条件になります。
相手にわかってもらうためには、どう説明したらいいのだろう、今日学んだことを、どう組み立てるといいのかな、と嫌でも考えることになります。
最後にアウトプットのメリットの4つ目として知識の定着力が挙げられます。
知識というものは、すぐに忘れてしまうものでもあります。
特にインプットだけの学習法の場合は、記憶に残りにくく、忘れるのも早くなります。
しかし、声に出したり、相手に伝えることを意識しての学習法を採用している場合、忘却曲線が何もしていない場合に比べて緩やかになる印象があります。
相手に伝えるところまで意識して取り組んだ問題というのは、自分の中で印象に残ります。
つまり忘れにくい知識になるということです。
このように、知識量、知識の精度、論理力、知識の定着、この4つがアウトプットから得られます。
アウトプットを日々の学習に取り入れるのは簡単です。
問題を解いた後に、その問題をどう解いたかを「声」にだして、もう一度説明するだけです。
もし可能であれば、自分以外の第三者に聞いてもらえると、さらに効果は高いです、
それが物理的に難しいようでしたら、自分で自分に説明するだけでも大丈夫です。
このときのポイントは「声に出す」ということです。
声に出すことで、理解が不十分なところが一発でわかります。
自信がないところ、論理が破綻しているところは、声が小さくなったり、詰まったりするからです。
それを目安に、すらすらと、よどみなく説明できることを目標にしましょう。
ちょっとしたゲーム感覚でやってもいいかもしれませんね。
ぜひ取り入れてみてください。
アウトプットできているかの判断基準を載せたいと思います。
参考にしてみてください。
① 大絶賛レベル
・問題のポイントを要約できる
・出題者の意図まで答えている
・その問題を聞いたことのない人にもわかる説明をしている
この3つを満たしている時は、
自分を大いにほめましょう。
もし、お子さんがこのレベルに達していた時は、大絶賛してあげてください。
大変頑張られた証拠です。
最高級の賛辞を送りましょう。
② 合格レベル
・学んだ知識を繰り返して言える
・すらすら説明できている
通常は、ここまででも十分です。
できれば、毎回このレベルまで持っていくことを目標にしましょう。
毎回このレベルまで到達できていれば、苦手分野はなくなるでしょう。
③ あともう少しの段階
・単語は出てくる
・文章になっていない
・つっかえつっかえの説明になる
知識は詰めこめたけれど、本人が消化できていない段階です。
理解力に課題が残っています。
ですが、インプットの段階は頑張った証拠です。
まずは、インプットできたことをほめてあげましょう。
そして次の課題点として、身に着けた知識を、自分の身近な例に置きなおしましょう。
そうすることで理解力を深めます。
④ 頑張りが必要な段階
・まったく説明できない
・言葉が出てこない
知識のインプットでつまづいています。
もう一度、インプットしなおしましょう。
もちろんできてないことが分かったからと言って、まったく悲観することはありません。
自分が今どの段階かがわかれば、次の段階に向けて淡々と課題をこなしていくだけです。
(※インプット自体の仕方に問題があることがあります。その場合は、文字ばかりの参考書であれば、絵が多めの参考書にする、自分にとってわかりやすく説明してくれる人を見つけるなど、対策を立てましょう。)
アウトプットは、習慣化できるまで、少し慣れが必要です。
アウトプットのし始めは、最初は説明がつたなく、聞いていても「???」といった説明になることが多いです。
しかし、アウトプットしはじめてすぐの段階ではあまり気にしないようにしましょう。
「最初はそんなものかな」くらいに流して、とにかくアウトプットの習慣をつけていくようにしましょう。
アウトプットを身に着けるのに必要なのは、度胸と慣れだけです。
最初はもしかしたら、人に説明する機会がこれまでなかった場合、少し恥ずかしさを感じるかもしれません。
しかし、ある程度、数をこなせば自然とできるようになっていきます。
(やっぱり、聞いてくれる人がいた方が、上達は早いです。)
はやい方で2~3カ月ほど、通常で半年もあれば、わりとどのお子さんも自分の解いた問題をそこそこ説明できるようになっていかれます。
一度アウトプットの習慣が身につけば、それが自然な勉強スタイルとなります。
それにともなって、学習速度、効果があがっていきます。
ぜひ、日々の学習習慣に取り入れてみてください。