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Cafetalk Tutor's Column

Tutor Toria 's Column

海底の石、磨けば光る!?わたし⑧

Aug 13, 2022

時代は昭和から平成へ…
卒業を3月に控えているのに、まだわたしは検定試験を受け続けていた。

簿記学校の”検定試験地獄”は
就職が決まろうと、終わりが無かった。
とにかく、社会に出るまで
出来る限りの資格を取るカリキュラム。
卒業まであと1週間という時まで、合格発表を待つような日々だった。

18まで必死の勉強体験も成功体験もなかったわたし
落ちこぼれだったわたしが
今はもう、石から獅子へ~
そして、石も磨けば”それなり”になる事を
身をもって体験した。

社会に出るのは不安だけれど

これだけ頑張れた自分
結果を出せた自分
そんな自分なら、どうにかやれるかもしれない!

そんな事を思い始めていた。

卒業まで、あと数日。
クラス委員だったわたしは、担任の”まっちゃん”こと松田先生に呼び出された。
まっちゃんは、1年次からわたしの担任だった。
落ちこぼれのわたしを、折々に励ましてくれ、勉強も一所懸命教えてくれた、ありがたい存在。
年齢は30半ばか!?
さほど、格好良いわけではないが
厳しさもあり、優しさもあり、ユーモアがあった。

その、まっちゃんが放課後
一緒に外に付き合ってくれと言い出した。

卒業式の何か準備の買い出しかと思いきや
映画に行くと言う。

「ほら、Toria。1年間よくやってくれたからな。
今日はそのお礼と言うか、褒美をあげたいなって思って」

まっちゃんの言葉に、とてつもない不自然さを感じつつも
わたしはついていくしかなかった。

実は…わたしは前々から何となく、気づいていた。

まっちゃんは…松田先生は
わたしのことが、好きなのかもしれない(;'∀')

でも、気づかぬふりをしてきた。
そんなはずはないと、思い続けてきた。
しかし今、目の前に居る、まっちゃんはいつもの「先生」ではなかった。

映画館を出て、喫茶店に入り
何を話したか覚えていない。
ぎこちない会話をした事だけは、覚えている。

そして、お茶の水の駅まで歩く通りの途中で
まっちゃんがいきなり、立ち止まると
がばっ!と私に抱きつき・・・

「Toria! #$%&’()!”#$%」

直球な、恋や愛の告白ではなく…
このコラムで、とても書けないような
よいこのみんなには、とても聞かすことが出来ないような言葉を。°(´•ω•̥`)°。

そこから、わたしはまっちゃんを突き飛ばし
どこをどうやって帰ったのか記憶がないほど
焦りながら家路に着いた。

いつから、まっちゃんが私を好きでいたのか
生徒ではなく…
恋の相手として見ていたのかと思うと
気持ち悪くて、仕方がなかった。

だって!
うちの学校、恋愛禁止じゃん!!
せめて、卒業を待ってとかじゃないの!? こういうのって。
わたしは、私自身とそんな対話をしながら
卒業の日を迎えた。

あんなに輝かしい”この学校での日々”が
最後の最後に、モノクロのシーンとなった。
まっちゃんとは、卒業の日
何も言葉を交わす事は無かった。
わたしたちの卒業と同時に、まっちゃんも学校を退職し
新たな道へ進もうとしていた。

あの日、まっちゃんに抱きしめられた日。
わたしは何も言わず、逃げ帰ったが
本当はどうすれば良かったのか…。
でも、わたしはやっぱり
何も応える事は出来なかっただろう。

最後まで
わたしは生徒でしかなく・・・

生徒でいたかったから。

伝統ある…といわれた、あの学校も
今はもう無い。
一生懸命!勉強し一流企業への就職を勝ち取った日々も
黒歴史のような恋模様も、今となっては絵空事のよう。

海底に沈む、石のおはなし…the END!

Boyce Avenue - The Sound of Silence

この黒歴史
先生の告白!?
今の時代なら、恐ろしい大問題だと思います((´∀`))ケラケラ

でも、今は笑い話です。

TORIA (o ̄∇ ̄)/

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This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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