先に転校していたクジさんはどうしていたかというと。
負けず嫌いで元気なクジさんは、
短期で気性の荒い港町の気質の人々と直ぐに馴染んでいた。
むしろ今までの小学校が合ってなかったようだ。
一気に人気キャラクターとなり、ほぼ女王様状態だった。
彼女は既に感染していた。
私はそんなクジさんを見るのが嫌だったが、
2クラスしかない小学校なので、
1/2の確率で同じクラスになる。
僕は悪い方の1/2を引いてしまったようだ。
ウルサイぐらい元気なクジさんは、
何かある度に僕に悪口を言ってきた。
「エッチ!」
「ケイスケベ!」
僕は何もしていない。
名前やイニシャルをバカにされた。
また、転校前にクジさんを送る会で
僕が書いた作文と絵をみんなに見せて回り、
みんなでゲラゲラ笑っていた。
人物画は大の苦手だったから下手くそな絵だった。
それを笑い者にされたから僕は一生忘れない。
そんなクジさんは中学校の頃にはいつの間にか転校していた。
転勤族なんだろうか。
クラスが違えば周りの環境もすぐに変わる。
回想するまで僕の記憶からもポッカリと抜けていた。
もう会うことはないと思うし、
会っても特に話すことはないだろう。
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