今年の冬休みは、「戦略的に休む」を心がけています。人に教える仕事は、感情労働と言われるようにメンタルが疲弊しやすい仕事だと思います。戦略的にうまく休みを取っていかなければ、続けることはできません。
1.長く働くことは価値
少子高齢化による労働人口の減少を背景として長く働くことの価値はますます高まっていると思います。実際に日本における60代および70代の就業率は近年上昇傾向にあり、内閣府の「令和6年版高齢社会白書(全体版)」によると、2022年において65~69歳の就業率は50.8%、70~74歳では33.5%だそうです。そのような社会構造の変化を背景として、持続可能な働き方が注目されるようになりました。
2.日本語教師は感情労働
私は日本語を教える仕事を20年以上続けてきましたが、改めて日本語教師は精神的に過酷な仕事だと思っています。「感情労働」という言葉は、「特定の感情を表現したり抑えたりすることが求められる仕事」と定義されるもので、接客業、医療などとともに教育に携わる人も当てはまります。実際に教師は感情労働によりストレスをためやすいと言われます。私自身も日本語の授業では学習者に活発に発言してもらうために、教師自身が笑顔を欠かさず、大きく明るい声で話すように心がけていますが、そのために自分自身の感情を押し殺すことも時には必要になります。日本語を教える仕事は好きですが、メンタルが疲弊しては続けられません。
3.メンタルの不調を経験して
これまで日本語教師の仕事をする中で無自覚に学習者優先の考え方が身に付き、自分自身をケアすることを後回しにしてきたように思います。そのせいかメンタルの不調に悩むことも多くあり、昨年は数か月間休職することにもなってしまいました。この状態は持続可能ではないと危機感を持ち、戦略的に休むことの必要性に気づきました。
4.休む時間をスケジュールする
私のようなメンヘラ日本語教師は、意識的に休む時間を作らないと、ずるずるといつまでも仕事のことを考えてしまうので、休む時間をスケジュールに組み込むことにしました。夜21時以降は何があっても仕事をしないと決め、土日はできるだけ自分の時間を作って動画を見たり、好きな本を読んで過ごすようにしました。休むための投資だと思って、天井に動画を投影するためのプロジェクターも買いました。「鈍感力」や「レジリエンス(ストレス回避能力)」を身につける方法を勉強するようにもしています。
*「メンヘラ」とは、ネットの俗語で「精神的に不安定で、心に闇を抱えた人」という意味です。
私は自分自身のために休むと思うと素直に受け入れられないので、日本語教師を続けて多くの日本語学習者を笑顔にするためだと思って「戦略的に休む」を取り入れるようにしました。まだまだ休み下手で、メンヘラで、バランス感覚の悪い私ですが、スイッチのオンオフをうまく切り替えて、持続可能な日本語教師のあり方を考えていきたいと思います。
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