みなさん、こんにちは!イタリア語講師のNoritaliaです。
今日のテーマは、「語学を学ぼう!そんな時 ③ 発音のギャップってなに?」です。
どうぞお付き合いをよろしくお願いいたします♪
フィレンツェの語学学校で大家さんの言っている事が全く分からなかった(汗)
前回は、語彙のギャップについて話しました。
語学を学ぼう!そんな時 ② 語彙のギャップってなに?
日本語同様、イタリア語も生きている。
日々新しい言葉が生まれていて、若い人を中心に使われている。
そのような言葉を知ることも、必要なんじゃないかな、というお話しでした。
今日は発音のギャップについてのお話(^_^)。
若かりし(笑)私が自分で申し込んで通った語学学校はフィレンツェ。
その後奨学金で指定された学校もフィレンツェの語学学校でした(^-^*)/。
街は本当に素晴らしく、歴史的建造物にあふれ、イタリア語を学ぶという本来の目的の他にも、イタリア生活を謳歌する上で、これ以上ない街だと思いました。
ただ、ホームステイの大家さんの言葉は全く分かりませんでした(・∀・;)。
*これに関しては、私の生徒さんでフィレンツェの語学学校に通われた方も同様の感想を述べられています。
どうしてこういう事が起きるのでしょうか。
イタリア語の子音は全部で21。
イタリアの音素は子音が21、母音が7、半母音が2で合計で30個あります。
「Fonologia della lingua italiana」『フリー百科事典 ウィキペディアイタリア語版』(https://it.wikipedia.org/wiki/Fonologia_della_lingua_italiana)。2025年1月12日16時32分(イタリア時間)現在での最新版を取得。
フィレンツェで「言ってることが聞き取れない」原因のひとつは、トスカーナ独特の「音」として、上に紹介した21の子音音素にはない、独特の「音素」があるからなのです。
トスカーナ地方独特の音、「Gorgia toscana」と呼ばれる独特の音でも有名なのは、カ行の「k」が「h」になること。
「コカコーラ」が「ホハホーラ」になるのは有名ですが、外国人学習者にとってかなり聞き取りにくくなりますね(>_<)。
「k」以外にも、イタリア語の21の子音音素に含まれない音素として、「t, p, g, d, b, d, d͡ʒ, ʒ」があります。
参考サイト:「Gorgia toscana」『フリー百科事典 ウィキペディアイタリア語版』(https://it.wikipedia.org/wiki/Gorgia_toscana)。2024年3月1日10時47分(イタリア時間)現在での最新版を取得。
となると、トスカーナ地方独特の音、「Gorgia toscana」では、実に半数近くの子音(9つ)がイタリア語本来の子音音素ではない、という事になるのです(^_^;)!
*語学学校では先生方は共通語のイタリア語で話しておられて、イタリア語の勉強は大満足でした。私の大家さんはかなりご高齢のご夫婦でしたので、年齢によって地域特有のアクセントが強く出る、出ないなどの個人差が当然ある事は付け加えておきたいと思います。
これは何を意味するんだろう?
フィレンツェは、13世紀から14世紀にかけて3大文豪であるダンテ、ボッカッチョ、ペトラルカによりイタリア文学が花咲いた街。
書き言葉としてのイタリア語が生まれ発展した、他にはふたつとない素晴らしい街です。
つまりイタリア語は長い間「書き言葉」として作家や文学者、詩人達の間で存在・発展はしましたが、国自体はまだバラバラの状態で、一般の人々には縁のない言葉でした。
それぞれの地域では、全く違う言葉が話されていていましたが、1861年のイタリア王国建国から、その後の共和制の誕生、1924年のラジオ・1954年のテレビ初放送を通じて、少しづつ人々の話す言葉が統一されてきたのは以前のコラムでお話しした通り(^_^)。
↓↓
イタリアのラジオ初放送。1924年から今年で100周年!
つまり、13世紀からフィレンツェで文化人の間で発展した「書き言葉としてのイタリア語」と一般の人が身につけた「話し言葉としてのイタリア語」は全く別々の歴史を歩んできたんですね(*´∇*)。
これはフィレンツェだけでなく、イタリア全土で見られる事。
もちろん私の住む地域にも独特の「音」や使われている言葉がありますし、その単語が「自分達の地域でのみ使われている」という事を知らない、というケースは珍しくありません。
普通のイタリア人の話し方は案外モゴモゴしていたり、聞き取りにくいものです。
その「音」もイタリアの魅力の一つだなぁと私は思います♪
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書き言葉と話し言葉は別々の歴史を歩んできた。
日常会話でコミュニケーションをする時に、この事を覚えておく事は本当に大切です。
書き言葉として文法本で知識を蓄える。
もちろん大事なことだと思いますo(^-^)o。
しかし、実際に私たちがコミュニケーションを取るのは本ではなく、生身の人間ですね(*´∇*)。
①「書き言葉」ではなく「話し言葉」で使われる文法を使い(文法のギャップ)、
②「話し言葉」でより使われる語彙、最近のワードを積極的に使い(語彙のギャップ)、
③「スタンダード」な話し方を学んでいない一般人のイタリア語を聞く事(発音のギャップ)。
これらの3つのギャップを埋めることで、よりコミュニケーション力が上がるんじゃないかな?という私からのアイデアコラムでした(^-^*)/。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
NORITALIA
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