僕は浮かれすぎて、調子に乗った。
学年委員長という立場を利用し、彼女と自分の席を隣同士に配置してしまった。
さらには、クラスの6人で作ったグループに「First Kiss」なんて名前をつけた。
冗談半分でつけた名前だったけれど、
その頃の僕には毎日が夢のような時間だった。
しかし、その幸福感に浸るあまり、勉強への興味は次第に薄れていった。
それどころか、少しずつ学校生活そのものへの情熱も失い始めていた。
僕がグレていた時期と重なり、学校に行く意味が見えなくなっていたのだ。
それでも、不登校にはならなかった。
クラスメイトと話す時間や、彼女と交わす何気ない会話が心地よかったから。
「学校に行く理由なんて、それだけで十分じゃないか」
そう自分に言い聞かせながら、僕は毎朝学校へ向かった。
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