皆さんこんにちは!
カフェトーク講師のMakikoです。
いつもレッスンを受講いただき、ありがとうございます。
カフェトークでは基本的な発声技術に加え、ドイツ語の発音法を教えています。
よりみなさんに声楽やドイツ作品を身近に感じていただくため、こちらのコラムでは声楽、ドイツ作品、ドイツの劇場にまつわるお話をしています。
今日のテーマは「リハーサルのプロセス」です。
みなさんはオペラがどのようなプロセスを経て、ひとつの形になっているのかご存じですか?今日はそんなリハーサルのプロセスを、皆さんにご紹介したいと思います。
せっかくなので、ドイツ語での言い方も一緒に見ていきましょう!
♪Konzeptionsgespräch 顔合わせ(のようなもの)
場所: 劇場の稽古場
出演者である歌手、演出家、衣装や舞台道具などの各部門の責任者やアシスタントなど、プロジェクトに関わる人たちが集まり、舞台セット、衣装、演技プランなど、オペラの演出コンセプトをみんなで共有します。
♪Musikalische Probe 音楽稽古
場所: 劇場の稽古場
音楽のみの稽古。音程、発音、強弱、テンポなど、楽譜に書かれていることを細部まで読み込んでいく稽古です。
通常オペラはオーケストラによって演奏されますが、この稽古はピアノ伴奏によって行われます。
このような音楽稽古のためにピアノを弾くKorrepetitor(コレペティートル)という仕事があります。
♪Szenische Probe 立ち稽古
場所: 劇場の稽古場
Konzeptionsgesprächの際に話されたコンセプトに沿って、演出家が演技をつけていきます。
この時点で大道具などの大規模なセットは、練習用の簡易的な物で代用するか、もしくは「なし」で、シーンごとに稽古が行われます。
♪Orchestersitzprobe オーケストラあわせ(オケ合わせ)
場所: 劇場のオーケストラの稽古場
歌手たちがピアノで立ち稽古を行なっているのと同時進行で、オーケストラはオーケストラのみで稽古が行われています。
この稽古で初めてオーケストラと歌手は一緒に歌うことになります。呼吸のタイミングやテンポを確認したり、音量を調節したりします。
♪Bühnenprobe 舞台稽古
場所: 舞台
ここまでの稽古は全て稽古場で行われていましたが、公演初日が迫ってくるといよいよ舞台での稽古が始まります。稽古場では使えなかった、本番通りの舞台セットを用います。
怪我などないように、舞台の段差や隙間など、自分の動線を隈なく確認します。
♪Klavierhauptprobe ピアノ舞台通し稽古
場所: 舞台
ピアノが伴奏をし、それ以外の演技、衣装、メイク、照明、舞台セットなどは全て本番通りの流れで、頭から通します。メイクや衣装のスタッフも客席に来て、最後に調節する箇所がないか確認します。
この稽古が歌手、舞台スタッフにとって初めての通し稽古なので、思い通りにはいかず、やり直すことも多々あります。
♪Bühnenorchesterprobe 舞台オーケストラ稽古(通称BO)
場所: 舞台
歌手は舞台の上、オーケストラはオーケストラピットの中、本番通りのポジションで歌ったときの音楽的なバランス調整が目的です。客席では音楽部門のスタッフも聴いていて、歌手にアドバイスをしたり、指揮者と音量のバランスを話し合ったりしています。
♪Orchesterhauptprobe オーケストラ付き通し稽古
場所: 舞台
さぁここまでくるとオペラのプロジェクトも大詰めです。オーケストラと一緒に本番通りの稽古になります。何も起こらない限りは、頭から通して本番通りに行います。
♪Generalprobe ゲネラル・プローべ (通称ゲネプロ)
場所: 舞台
全て本番通りに行う、最後の稽古です。
♪Premiere プレミエ、初日
上記の稽古を終え、初日を迎えます。初日の公演後にはパーティーも行われ、お客さんも交えてお祝いをします。
♪Dernière デルニエ、最終日
ヨーロッパでは初日を迎えてから、一定期間の間に何度も上演されることがほとんどです。ひとつのプロジェクトの最終上演日をデルニエと呼びます。
いかがでしたか?
オペラはまさにチームプレー。みんなで協力してひとつの作品を作り上げています。
皆さんもオペラを見る時にはそんなバックグラウンドを想像しながら見てみてくださいね。
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