第一回目講師コラムの昔の中国の農村組織「生産隊とは」に続き、現代の中国ビジネスはいかがでしょう?
「中国って社会主義国家でしょ?会社も生産隊みたいなんじゃないの?」
そんなイメージを持っていた私に、前職の中国人上司が語ってくれたのは、“完全実力主義”な中国企業のリアルな給与事情でした。
生産隊から現代企業へ──価値観の変化
昔の中国:生産隊という“平等”の象徴
かつての中国農村では、生産隊という組織で働き、どれだけ頑張っても給料は横並び。
「点数(工分)」で評価されても、実際の配分には大差がなく、「平等」が最優先されていた時代でした。
今の中国:会社は“完全実力主義”
ところが、現代の中国企業はまるで真逆。
上司が教えてくれた給与相場はこんな感じでした:
| 職種 | 月収(手取り) | 備考 |
|------|----------------|------|
| 営業事務 | 約6000〜7000元 | 税引き後は4500〜5500元程度 |
| 営業職 | 基本給12000元+歩合 | ノルマ達成時は最大70000元超えも |
> 「結果を出せば、給料は青天井。出せなければ、すぐに切られる」
そんな言葉が印象的でした。
日本企業との対比
一方、日本企業はどうでしょう?
成果主義を掲げつつも、実際は“緩やかな年功序列”が根強く残り、評価制度も形骸化しているケースが少なくありません。
**政治は資本主義、会社は社会主義**──そんな逆転構造が見えてきます。
中国の会社組織は、政治体制とは裏腹に、「成果とスピードを重視する超資本主義的な世界」。
だからこそ、語学だけでなく、「文化や価値観の違いを知ることが、ビジネス成功のカギ」になるのだと実感しています。
「違う国のビジネス言語を学ぶことは、その国の社会の仕組みを読み解くこと」
そんな気づきをくれた、上司との何気ない会話でした。
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