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【漢文】1日15分で漢文を得点源に変える勉強習慣

AZUKI

漢文は高校国語の中でも「後回しにされやすい」教科です。英語や数学に比べて配点が低く、出題文も短いため、「なんとかなるだろう」と軽視されがちです。しかし実際には、漢文こそ短期間で成果を出しやすい“コスパ最強”の教科であり、正しく学習すれば模試や入試での得点源になります。

しかも、漢文の勉強は毎日15分の習慣で十分に力をつけることが可能です。本記事では、忙しい高校生が効率よく漢文を得意科目に変えるための勉強習慣と、その効果的な進め方を、保護者の方にもわかりやすく解説します。


なぜ漢文は「少しの時間」で得点源になるのか?

1. 出題パターンが決まっている

漢文の出題形式は、現代文や古文に比べて非常にシンプルです。読解問題でもよく出る設問パターンは限られており、対策がしやすいのが特徴です。

2. 基本語彙・句法が固定されている

漢文では、「再読文字」「否定表現」「使役・受身」「疑問・反語」「重要語句」など、繰り返し出る文法パターンが決まっています。覚える量が少ない分、反復すれば確実に定着します。

3. 読解よりも知識の割合が高い

漢文の得点は、読解力よりも文法知識と句形の暗記に大きく依存しています。つまり、「わかっている人は確実に点を取れる」分野なのです。


漢文が苦手な人の共通点

漢文で点が伸び悩む生徒の多くに共通しているのが、「読み方の手順が確立していない」「返り点や再読文字の意味を曖昧にしている」「語彙を覚えていない」の3点です。

これは逆に言えば、「基本的なルールを覚えて、毎日少しずつ練習する」だけで誰でも得点アップが狙えるということです。


1日15分の勉強習慣で得点源に変える5つのステップ

では、どのように1日15分の学習を組み立てればよいのでしょうか? 以下の5ステップで無理なく、効率的に実力をつけることができます。


ステップ1:曜日別「テーマ学習」で負担を分散

毎日同じことを繰り返すよりも、曜日ごとに学習テーマを変えることで、飽きずにバランス良く学習できます。

曜日内容月曜 句形(再読文字・否定・使役など)の確認 火曜 読解の読み下し練習(2〜3文) 水曜 語彙の暗記(重要漢字の意味・訓読) 木曜 文法問題の演習 金曜 過去問1問チャレンジ(要約+解説) 土曜 復習(1週間の内容をざっとおさらい) 日曜 休み or 弱点補強(自由学習)

1日15分で完結する量に調整しながら進めましょう。


ステップ2:「読める力」をつける返り点トレーニング

返り点を読む力は、漢文の第一歩です。読解に入る前に、返り点のパターンを機械的に読み下す練習をしておくと、自然とスラスラ読めるようになります。

■ トレーニング方法:

  • 教科書や漢文ドリルを使って、1日1〜2文だけ音読

  • 「一二点」「レ点」「上下点」の読み方を反復

  • 必ず主語・述語・目的語を意識すること

■ 例:

「学而不思則罔」
→「学びて思わざればすなわちくらし」

文法は後回しでもよいので、「読む→訳す」を体にしみ込ませていくことが重要です。


ステップ3:句形は「文法+例文セット」で覚える

漢文の句形は単語の暗記と違い、「使い方と意味のセット」で覚えることが大切です。たとえば再読文字であれば、「未だ〜ず」と読んで「まだ〜しない」という意味になります。

■ おすすめの覚え方:

句形読み方意味例文(書き下し)未〜ず いまだ〜ず まだ〜ない 未だ決せず 将〜んとす まさに〜んとす 今にも〜しようとする 将に行かんとす 使〜 〜をして…せしむ 〜に…させる 使人読書

● ポイント:例文ごと音読して暗記。短文なら10秒で済むため、毎日2〜3個でも1ヶ月で60個近く暗記できます。


ステップ4:「語彙カード」で語彙を可視化する

漢文の語彙は、現代語と違って意味が直感的に分かりづらいものも多くあります。

■ おすすめ単語例:

漢字訓読み意味応 まさに〜べし 当然〜すべきだ 敢 あへて〜ず 決して〜しない 之 これ・の・ゆく 指示語、所有、動詞

● 対策法:

  • 覚えるべき漢字や語彙は「単語カード」でまとめる

  • スマホアプリでもOK

  • 保護者が問題を出す形式で「5分テスト」も効果的


ステップ5:「得点に直結する問題演習」は週1でOK

文法と読解をコツコツ積み上げたら、実戦形式の問題に触れて「本番の得点感覚」を養います。

● おすすめ教材:

  • 学校配布の文法問題集

  • センター過去問(共通テスト型も可)

  • 中堅私大レベルの問題集(古典問題集の後半に収録されているもの)

● ポイント:

  • 時間を測って解く(5〜10分)

  • 必ず「解説を音読+復習」して知識を定着させる


忙しい高校生でも続けられる「時短漢文学習」

漢文に対する苦手意識を克服するには、「短時間でも毎日続ける」ことが何より大切です。たとえ5分でも構いません。大事なのは「ゼロの日をなくす」ことです。

● スキマ時間の活用アイデア:

  • 通学中に再読文字の語呂を唱える

  • 風呂で返り点音読

  • 寝る前に語彙カードを5枚見る

学習習慣が身につけば、漢文は確実に得点源になります。


保護者の方へ:漢文は「支援しやすい科目」です

漢文は他の科目と比べて、親子で一緒に確認しやすい教科です。たとえば…

  • お子さんが読んだ書き下し文の「訳があっているか」をチェックする

  • 再読文字や使役の意味をクイズ形式で出す

  • 学習カードや教材の整理を手伝う

こうした「少しの支援」で、お子さんの学習習慣が大きく変わります。特に高1・高2のうちにこの習慣を身につけておくと、高3の受験期に余裕が生まれます。


まとめ:1日15分の習慣で漢文を得点源に変える

漢文は、「今さらやっても遅い」と思われがちですが、逆です。漢文こそ、毎日の積み重ねがそのまま得点につながる科目です。

  • 毎日15分、曜日ごとにテーマを変えて取り組む

  • 短文の音読や語彙カードで反復

  • 週1回の実戦問題で実力チェック

このような小さな習慣をコツコツ続けることで、1ヶ月後には確実に「読める」「解ける」自信がついてきます。

短時間で効率よく成果を出したい受験生にこそ、漢文は最大の味方になります。ぜひ今日から1日15分の漢文学習をはじめてみてください。

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The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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