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その3 “大学で働く”って本当はどんなこと?元大学職員が語るよもやま話~情報整理の達人~

Masa.Y

私は長く情報関係部局におりましたので、ネットワークやPCに対する違和感はありません。オンライン家庭教師は、こうした環境を嫌がっていては成り立ちませんので、生徒さんや保護者様が「どんくさいなあ」と思わせないように努力しています。

ただ、これは全く変わりがない、いえ変えようとは考えていない点として、PCやスマホやネットというのはツールのひとつであって、なんら第一義的な意味はないと考えている点です。

かつてインターネットがつながり、PCからさまざまな情報を見る・取得することができるようになったときは、目の前に世界が無限に広がったような感覚でした。また、現在のようにインフラ化するとは到底考えておりませんでした。

当時、メールを送るにしてもUNIXというOSのコマンドを使ってまったくベタに文字を書いて送信していましたが、電話で届いた?と確認していたのも今となっては笑い話にもならないほどです。

PCやスマホやネットというのはツールのひとつであって、なんら第一義的な意味はない」と偉そうなことをいいましたが、もう一つ。

私は紙に書くこと、紙や筆記用具をないがしろに考えるような向きに対しては不服を感じています。気に入った筆記具で字を書く、文章を書く、手紙を書く、辛気臭いと感じられるかもしれませんが、私はこちらに第一義的な意味を感じます。

今や情報過多です。器用にツールを使って、にらめっこしている方、よく、本当によくみかけます。老いも若きも、私も同じなのですが、どの情報が必要で、これは見なくてよい(見てはいけない)という点を選別できる力(スキルというのでしょうか)がどうしても必要です。

情報の海の中であっぷあっぷしていると、もちろん溺れます、自分の想定していなかった所に落ちてしまうことがあります。

 
今回は、情報整理という点で驚愕した達人(教授)のお話しをひとつ。

 
学部の事務室には、ありとあらゆる書類が集まり、その整理や集約は手違いなく行わねばなりません。人手が足らず、アルバイトさんときちんと読み合わせをしながら確認するという作業も職員の重要な仕事でした。

ある書類についてまだお送りいただいていない先生に電話をし、締め切りが近づいているので直接研究室に伺う旨を伝えました。

個人研究室の扉を開けると、やや手狭な室内の真ん中にうず高く積まれた書類の塔がまず目に入りました。天井を目指して積もっているあらゆる書類を見たのがまず驚愕の1

 

先生は、その塔の横からひょっこりと顔を出して、

「すまんなあ、わざわざ。これやろ。」とひょいと書類を出されて、またその塔の影に消えて行かれました。

私は、てっきりやっさもっさして、「ごめん、後で届けるわ。」となるだろうと思っていたのですが、いとも簡単に書類を出されて面食らった記憶があります。これが驚愕の2

事務室に戻ると、書類の塔は有名なことで同僚も上司も既に承知の事実でした。

 

今振り返ると、うず高く積まれた書類はどこに何があり、何が記載されていて、締め切りのあるものはいつでという具合に先生の脳には整然と、いえ厳然と整理されていたのだと理解しています。情報整理の達人!

もう一つ、後日談となるのですが、HPだったか教員紹介の冊子だっだかにこの先生の特技を見て、3つ目の驚愕!

特技:整理整頓

 

あの書類の塔は、無造作に、ぶっきらぼうに積まれたものではなかったと、今さらながら大学の教員はただものではないと感じています。

 

受験生の方、少しは息抜きになったでしょうか。

職員として働いていると、大学の先生方は、やはりすごいなあと敬服することが多々ありました。今から振り返ってみると少し感傷的な思い出とはなりますが。

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This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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