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英語は「知ってる」のに話せない理由。1年かけてたどり着いた答え
英単語も文法も、そこそこ知っている。リスニングも「前よりは聞こえる」。
それなのに、いざ話そうとすると英語が止まる。
今年の初め、この「英語が止まる瞬間」について、ずっと考えていました。
生徒さんを見ていても、自分自身を振り返っても、原因は「知識不足」ではない。
じゃあ、何が足りないのか。
その答えを探す中で、1年間かけて試し続けてきたトレーニングがあります。
それが、
リフトレ（Rephrasing Training）
聞いた英語を、暗記せずに「自分の英語で」言い換えるトレーニングです。
「リフトレ」とは何か
リフトレは、英語を「暗記」練習ではなく、
「英語で考えて話す処理速度」を上げるトレーニング。
フレーズを覚える練習でも、正解表現を当てる練習でもありません。
聞いた英語を理解し、その意味を、自分の言葉で組み立て直す。
その「処理」を鍛えるのが、リフトレです。
リフトレが向いていない人
正直に言うと、リフトレは誰にでも合うトレーニングではありません。
① 正解をすぐに知りたい人
「この文の正解は何ですか？」「ネイティブならどう言いますか？」
こうした答えをすぐ求めたい人には、リフトレは少し不安が大きいかもしれません。
リフトレでは、正解は1つではないからです。
② 暗記の方が安心する人
フレーズを覚えることで上達してきた人ほど、
「覚えない」前提のリフトレは違和感があると思います。
③ 沈黙や間違いが怖い人
リフトレでは、途中で止まったり、うまく言えなかったりする時間が必ず出てきます。
それを「失敗」と感じてしまう人には、少しストレスが強いかもしれません。
④ すぐに“ペラペラ感”が欲しい人
流暢さや発音だけを早く出したい人には、
リフトレは回り道に感じる可能性があります。
リフトレは、中の処理を先に整えるトレーニングだからです。
1年間続けて分かったこと
リフトレを、複数の生徒さんと1年間続けてみて、はっきり分かったことがあります。
それは、英語が話せるかどうかは、
才能ではなく「処理速度」の問題だったということです。
実際に多くの生徒さんに共通して起きた変化は、こんなものでした。
・質問に対する返答スピードが上がった
・英語を頭の中で組み立てる時間が短くなった
・日本語に訳さずに英語を処理できる場面が増えた
・結果として、リスニングが楽になった
特に印象的だったのは、「言おうとして止まる時間」が減ったことです。
完璧な文じゃなくても、とりあえず英語が口から出る。そこから修正できる。
この感覚が身につくと、英語を話すことへの心理的なハードルが、一気に下がります。
さらに、発音トレーニングを並行して行った場合、
話すスピードそのものが上がるケースも多く見られました。
ただし、魔法のトレーニングではありません。
最初は、
・沈黙が増える
・モヤモヤする
・「これで合ってるのか？」と不安になる
そんな時期も必ずあります。
それでも続けられた人ほど、
あるタイミングで「今までと頭の使い方が違う」と感じ始めました。
リフトレの流れ（超シンプル）
リフトレは、とてもシンプルな流れで行います。
1つの英文を聞く。内容を理解する。そして、同じ意味を、自分の英語で言い換える。
このとき大切なのは、正しい言い方を探さないこと。暗記しないこと。
今の自分の語彙と文法で、「こう言いたい」と思った形で表現する。
リフトレは、英語表現を増やすトレーニングではなく、
すでに知っている英語を“使える状態”にするための練習です。
他のトレーニングとの違い
シャドーイングやフレーズ暗記も、英語学習において大切な役割があります。
ただ、それらの練習では、
聞いた英語を「そのまま再現する」ことが目的になることが多い。
一方、リフトレでは、聞いた英語を一度、自分の中で処理し直す必要があります。
「聞こえた英語を言う」のではなく、
「理解した内容を、自分の英語で組み立て直す」。
この“間”の作業こそが、実際の会話で英語が止まらなくなるために必要な部分だと、
この1年で強く感じるようになりました。
英語が話せない理由は、単語や文法を知らないからではありません。
多くの場合、英語を頭の中で組み立てるスピードが追いついていないだけです。
リフトレは、英語を「暗記する」練習ではなく、
「英語で考えて話す処理速度」を上げるためのトレーニング。
こうした「話すための頭の使い方」を大切にしたレッスンを行っています。
もし、「分かるのに話せない」「言おうとすると止まる」
そんな感覚に心当たりがあるなら、リフトレの考え方は、きっとヒントになるはずです。
POWER!!
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