イギリスの小学校では、4年生(Year 4)になると、国語(English)の授業で日本の俳句を「Haiku」として学習します。
日本の伝統文化が海を越え、現地のナショナル・カリキュラム(学習指導要領)に組み込まれているのを見ると、日本人として誇らしいような、少し不思議なような、感慨深い気持ちになります。
しかし、イギリスの学校で教えられる「Haiku」のルールは、日本の伝統的な俳句とは少し異なる**「英語圏向けの簡略化されたルール」**が一般的です。今回は、現地の子供たちがどのように俳句を学んでいるのか、その主なルールをご紹介します。
1. 構造のルール:5-7-5の「音節(Syllables)」
最も重視されるのは、おなじみの「5-7-5」のリズムです。ただし、数え方が日本とは異なります。日本語では「ひらがなの1音(Mora)」を数えますが、英語では**「音節(Syllable)」**でカウントします。
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1行目: 5音節
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2行目: 7音節
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3行目: 5音節
【音節(シラブル)とは?】 簡単に言うと、**「その単語をひとまとめで発音する音の単位」**のことです。例えば、「Banana」は日本語だと「バ・ナ・ナ」の3音ですが、英語でも「Ba-nan-a」と手を3回叩くリズムで3音節と数えます。
<英語俳句の例> Green leaves on the tree (5) Dancing in the summer breeze (7) Nature is a gift (5)
2. テーマのルール:自然(Nature)
イギリスの授業でも、俳句のテーマは日本と同様に「自然(Nature)」や「季節(Seasons)」に限定して教えられることがほとんどです。
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特定の「瞬間」を切り取ること。
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感情を言葉で説明するのではなく、情景描写を通じて伝えること。
この「Show, Don't Tell(言葉で説明せず、描写で示せ)」という手法は、英作文の基礎としても重視されています。
3. 文法・スタイルの特徴
英語の授業ならではの、日本とは異なるユニークなポイントもあります。
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韻(ライム)は踏まない: 英語の詩といえば韻を踏むのが一般的ですが、Haikuに関しては「韻を踏まなくて良い(Do not need to rhyme)」と教えられます。
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句読点(Punctuation): 行の終わりにコンマやピリオドを打つかどうかは、担当する先生のスタイルに委ねられます。
日本の俳句との大きな違い
日本人が学ぶ俳句と比較すると、以下の2点が大きく異なります。
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「切字(きれじ)」がない: 「や」「かな」「けり」のような切れ字の概念は、基礎レベルでは教えられません。
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「季語」がルーズ: 厳格な歳時記に基づいた季語というよりは、「冬らしい言葉が入っていればOK」という広い解釈で楽しまれています。
世界中で愛されている「Haiku」。私もここで一句!といきたいところですが、シンプルなルールゆえに、いざ言葉を選ぼうとするとその奥深さと難しさを痛感します。
皆さんも、身近な自然を「5-7-5」の英語で切り取ってみませんか?
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