社会に出たばかりの頃、私はなかなか正社員の仕事を見つけることができませんでした。
履歴書を何通送っても、返事はほとんどなく、「自分は何をやっているのだろう」と立ち止まってしまうことも、正直よくありました。
そんな時期に、今振り返ってみると、神様は私を見放してはいなかったのだと思います。
アルバイトの応募をしている中で、私は「フィリピン人講師によるオンライン英語学習プラットフォーム」を運営している一人の経営者と出会いました。
今はもうその会社では働いていませんが、その方とは長い付き合いになり、今でも年末年始などには連絡を取り合う、大切な友人です。
当時は「つなぎ」の仕事だと思っていたその経験が、実は私の人生に深く根を残していました。
私の主な仕事は、バックオフィスの運営でした。
オンライン講師として応募してくるフィリピン人の先生たちの面接を行い、実際に授業を始める前には、授業の流れや対応方法についてオンライン研修を行う。
「授業はどのように始め、どのように終えるのか」「生徒が言葉に詰まったとき、どう寄り添えばいいのか」——
そうしたことを一つひとつ伝える役割でした。
そんな立場だったからこそ、オーナーの好意で、仕事の合間にフィリピン人講師と英会話の練習をさせてもらうこともありました。
今でも忘れられないのは、当時デンマークに住んでいたフィリピン人の先生とのレッスンです。
彼女はある日、私にこう問いかけました。
「どんな時に、台湾人に対して怒りを感じるけれど、それを表に出さずに我慢しますか?」
私はいくつもの例を挙げながら、文化の違いや、自分なりの感情を一生懸命説明しました。
ただし、致命的な勘違いを一つだけしていました。
quarrel(口論・けんか)という単語を、私は完全に squirrel(リス)だと思い込んでいたのです。
その結果、私の話の中では、「けんか」をするたびに、なぜか「リス」が登場することになりました。
先生は私の話を途中で止めることはありませんでした。
ただ、終始にこにこと笑いながら、必死に笑いをこらえている様子でした。
そして、私が話し終えた後、やさしくこう言ったのです。
「ねえ、気づいていますか?
あなたが『けんか』をするたびに、たくさんのリスが出てきていましたよ。」
その瞬間、私はようやく自分の間違いに気づきました。
そして今度は、私の方が笑いが止まらなくなりました。
もしあなたが、「恥ずかしくなかったの?」「先生に失礼だと思われなかった?」「自信を失わなかった?」と聞くなら、私ははっきり答えます。
まったく、そんなことはありませんでした。
むしろ、その大きな失敗のおかげで、私と先生との距離は一気に縮まりました。
「教える側」と「学ぶ側」という関係ではなく、同じ言語の道を歩く仲間として、一緒に笑い合えたのです。
そして何より、その間違いは今でも鮮明に記憶に残っています。
一生忘れることはないでしょう。
それ以来、私は先生の前で文法を間違えたり、修正されたりすることを、まったく怖いと思わなくなりました。
なぜなら、あの「リス事件」こそが、私にとって最大級の恥ずかしさだったからです。
それを乗り越えた今、他の間違いなど、取るに足らないものになりました。
外国語を話す自信は、「何回正しく話せたか」で育つものではありません。
間違えたときに、世界が崩れなかったこと。
相手があなたを否定しなかったこと。
そして、その経験が、言語だけでなく、人との距離まで近づけてくれたこと。
その積み重ねこそが、本当の自信につながっていくのだと、私は思っています。
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