バイオリンを最初に構えた時、この弦でここに指を置いて〜と夢中になったものの、目印のシールや見た目の勘、感覚でなんとなく教材が進み、いざうまく音程が取れない時に、自分の手がなにをどうやっていたのか、を把握できていない方、少なくないと思います。
手が小さいので〜、指が短いので〜、関節の動きが特殊で〜などいろんなバイアスで、本当は楽しめるはずのバイオリンにストレスを感じられている方もたくさん見てきました。
みなさん自分の左手を眺めてみてください。
特徴はなんですか?
僕の場合、薬指の第1関節よりも小指が短めです。
その分薬指が長め、とも言えるかもしれません。
手はかなり大きく、指も長めです。
180cmの身長の友人と比べても、手の大きさはどっこいです。
しかし、この指の長さのバランス。
他の人にないメリットがあるのも事実ですが、
すんなりといろんな曲が弾ける手ではありません。

指の長さのバランスと同時に、各指の関節をどう機能させるか、も大事なポイントです。手のひらや手首、親指、などいろいろな要素の配置と並行して検討する必要があります。
ここで、1本の弦上に指を4本配置した時と、
低い弦に4指をトンネル(手前の弦に4指を当てない)させた時を比較してみましょう。
トンネルなし
トンネルあり
小指の長さには限界があります。
小指の長さをフルに生かすとすれば、それは関節を曲げないことです。
小指の関節を曲げないことを最優先にした場合、
弦の上にある目的のポイントから逆算して、
小指の付け根の場所を調節することになります。
トンネルなし
トンネルあり
トンネルを作る(手前の弦を跨ぐ)という配慮がいる場合、
指の関節を曲げる=狙う弦上のポイントと指の付け根を近づけ、
小指の長さをケアしないといけません。
上から眺めるとこのようになります。
トンネルなし
トンネルあり
トンネルなし
トンネルあり
ここまでで、なるほど!思った方は危険です(苦笑)
小指のケアをして、小指の音がトンネル状態で狙った音をとれたとしても、
その下に配置される薬指や中指(小指より相対的に長い指)が窮屈に縮こまってしまう可能性があります。俗にいうマムシ指の構えで、4指の音が正しいのに、3指2指の音程が低くなってしまう。
4指のことばかり考えると、他の指の考慮が漏れてしまうのです。
最後に横から眺めてみましょう。
何かお気づきですか?
トンネルなし
トンネルあり
トンネルなし
トンネルあり
指の付け根の山型に違いがあるのがわかるでしょうか?
実際にはワンパターンではなく、指同士が何度(短三度など)離れるか、や左肘のポジションの流儀によって複数のパターンがあり得ます。
ネックの太さや、ネックの長さ、ヴァイオリンの右肩の膨らみなど、自分の手のハンデのケアを楽器に求める前に、自分の体の使い方が適切かどうかという視点を忘れないでいたいと思います。
また、今回結果論を中心にヒントを書いてみましたが、
ここには親指の配置や角度、手首の調節、肘の調節など、
指の太さや関節の可動域によってさまざまな配慮のバランスが必要です。
気合いでなんとかしてやる、と指で強く弦やネックを締めると、演奏が破綻します。
そもそもの演奏の目的が音楽ではなく、指を無理やり配置する動作に変わってしまうんですね。
スムーズにできた人は、指の長さのバランスや指先の形、手のサイズ、構えのフィーリングやイメージが自分のバイオリンにフィットしたラッキーな人です。
音階やエチュードの中で自然に法則や関連を有機的に把握できた人は、頭の構造が向いていた、というラッキーです。
どちらのラッキーにも当てはまっていない!いま苦悶中!という方は苦労人の知見を拝借して、自分のものにするのが一番効率的です。
僕自身、こう思う、先生はどうなんですか?という知見のやりとりや、さまざまな手の生徒さんをみてきて、「左手の使い方は本当に個人的なもの」と認識しているのと同時に、どの人にも適用される考え方や調整方法は絶対にある、と考えています。
指がおもうように動かない方へ。
仲良しのお医者様に聞いたところ、
骨や筋肉は皆基本同じ、
だとすると違うのはコントロールしている神経の癖だろう、と言われました。こういう時は、指を動かすというよりも、指がそこに当たるように〜を動かしてみるという考え方の変更で対処できる場合もあります。
自分の手をあきらめない!すごく大事なことです。
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