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【共通テスト現代文】評論文の「抽象→具体」構造をマスターする:正解を導く論理の地図

AZUKI

「文章が難解すぎて、結局何を言いたいのかわからない」 「具体例の話は面白いけれど、設問になると途端に解けなくなる」 「現代文の解答の根拠を、自信を持って指し示すことができない」

共通テスト現代文の評論文に挑む受験生が抱くこれらの悩み。その原因の多くは、文章の「内容」を追うことに必死になり、文章の「形(構造)」が見えていないことにあります。

評論文には、筆者が自分の主張を読者に納得させるための鉄板の型が存在します。それが「抽象→具体」の往復構造です。この構造をマスターすれば、初見の難解な文章でも、まるで設計図を見るかのように論理の道筋がクリアになります。

今回は、共通テストで8割、9割を安定して狙うために不可欠な「抽象と具体」の読み解き術を徹底解説します。


1. なぜ評論文は「抽象→具体」で構成されるのか

評論文の目的は、筆者独自の考え(主張)を読者に伝えることです。しかし、筆者の主張というのは、得てして「抽象的」で分かりにくいものです。

「抽象」は筆者の本音、「具体」は読者へのサービス

  • 抽象(メッセージ): 「人間は、テクノロジーの進歩によって身体性を喪失している」

  • 具体(エピソード): 「スマホのナビに頼り、自分の足で道を探すことがなくなった現代人の様子」

「抽象」だけでは、「えっ、どういうこと?」と読者が置いてけぼりになります。そこで筆者は、誰もがイメージしやすい「具体例」を持ち出して、自分の主張を補強します。

「抽象=筆者が本当に言いたいこと(得点源)」 「具体=抽象を説明するための道具(理解のヒント)」

この役割分担を理解することが、速読と正確な読解の第一歩です。


2. 共通テストで狙われる「言い換え」のメカニズム

共通テストの現代文において、正解の選択肢はほぼ例外なく「本文の抽象的なまとめ」を「別の言葉」で言い換えたものです。

設問の多くは「具体を抽象に戻す作業」

傍線部は、多くの場合「具体的なエピソード」や「比喩」の箇所に引かれます。そして設問では「これはどういうことか?」と問われます。 このとき、選択肢の中から「具体例と同じこと(エピソードの続き)」を選んではいけません。正解は、その具体例が説明しようとしている「一段階上の抽象的な主張」です。

文章を読みながら、「このエピソードは、さっきのあの難しい一文を説明しているんだな」と、常に具体と抽象を線で結ぶ意識を持ってください。


3. 「抽象→具体」を見抜くための3つのキーワード・サイン

文章の中で、どこから具体例が始まり、どこで抽象的な結論に戻るのか。それを見抜くための「目印」を覚えましょう。

① 具体例の開始合図

「例えば(For example)」「具体的には」「~といった」「かつて~」 これらの言葉が出てきたら、そこから先は「筆者の主張を補強するための説明パート」です。ここでは、一言一句を完璧に訳そうとせず、リラックスして「つまり、どういうことを説明したい例なのか?」という大枠を掴む読み方に切り替えます。

② まとめ(抽象)の合図

「つまり」「要するに」「換言すれば」「このように」 具体例の後にこれらの言葉が来たら、そこが「得点の宝庫」です。筆者が具体例を通じて伝えたかった核心が、ここで整理されます。設問の答えの根拠は、この「まとめ」の周辺に高確率で潜んでいます。

③ 記号(マーキング)の活用

読みながら、抽象的な主張には「波線」、それを説明する具体例には「(かっこ)」をつけるなど、視覚的に区別してください。 これをするだけで、最後に見直しをするときに、どこが論理の柱なのかが一目で分かるようになります。


4. 具体例を「読み飛ばす」勇気と「使いこなす」知恵

「具体例は大事じゃないから読まなくていい」という極端な意見もありますが、それは危険です。具体例には、2つの重要な役割があります。

役割A:抽象的な言葉の定義を確認する

「近代的な自我」と言われてピンとこなくても、その後の具体例を読めば、筆者がその言葉をどのようなニュアンスで使っているのかが分かります。具体例は、難しい言葉の「翻訳機」として使います。

役割B:消去法の根拠にする

共通テストの「ひっかけ選択肢」には、具体例の中に出てきた言葉を使いつつ、論理をすり替えているものがよくあります。「具体例の細部」にこだわりすぎた選択肢は、筆者の「主張」から外れていることが多いため、×をつける根拠になります。


5. 保護者の方へ:「要するに?」の問いかけが論理力を育てる

保護者の皆様、お子様が現代文の文章を「読めているのに解けない」と悩んでいるなら、それは情報の優先順位がつけられていない証拠です。

ご家庭でできる最高のトレーニングは、お子様が読んだ文章やニュースについて、「要するに、筆者は一言で何を言いたかったの?」と問いかけてあげることです。 「具体例」という枝葉に惑わされず、「抽象」という幹を見つけ出す練習を日常的に繰り返すことで、共通テストの評論文を読むスピードと精度は劇的に向上します。

「具体的にはどんな例があった?」と聞くよりも、「その例を使って、筆者は何を証明したかったんだと思う?」と、一歩上の視点(メタ視点)へ誘導してあげてください。


まとめ:評論文は「抽象」と「具体」の追いかけっこ

共通テスト評論文を攻略する鍵は、文章を「ベタ読み」せず、構造的に捉えることです。

  1. 抽象的な主張(結論)を見つけ、そこにターゲットを絞る。

  2. 具体例は、抽象を理解するための「補助」として活用する。

  3. 設問の正解は、具体を抽象へと昇華させた「言い換え」にある。

この「抽象→具体」の構造がマスターできれば、どんなにトピックが難しくなっても、筆者の論理の糸を見失うことはありません。現代文を「センス」ではなく「技術」で解く快感を、ぜひ次の模試で体感してください。

次の一歩として、まずは今日解く評論文の中で「例えば」という言葉を見つけ、その一歩手前にある「難しい一文」に線を引いてみることから始めてみませんか?

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