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【英語のOSを整える #6】 なぜ英語では、“主語”がこんなに重要なのか

Nao705

英語を勉強していると、
「主語を忘れないようにしましょう」
とよく言われます。
でも日本語話者からすると、
そもそも、
「なぜそんなに毎回 “誰が/何が” を言わなければいけないの?」
と感じることがあります。
日本語では、
わざわざ主語を言わなくても、
自然に会話が進むことが多いからです。
実際、
「寒いね」
「疲れた」
「おいしそう」
「なんか変」
だけでも、
かなり自然に通じます。


これまでのコラムでは、
日本語と英語では、
・どこへ意識が向きやすいのか
・どう言葉が立ち上がるのか
・何を中心に状況を捉えるのか
その流れ自体がかなり違う、
という話をしてきました。
そして英語では、
環境や刺激を受け取ると、
その中で、
まず何かが自然に一つの像として見え始めます。
そして、
そこへ、
特徴や状態が現れてくる。
だから英語では、
「何について見えているのか」
が、
自然と重要になってきます。


たとえば、
It’s cold.
という文。
日本語では、
「寒い」
だけでも、
かなり自然に成立します。
でも英語では、
まず “it” が立ち上がる。
ここでの “it” は、
「何か特定の物体」
というより、
まず状況や環境そのものを、
ひとつの像として受け止めている感覚に近いのです。
そしてそこへ、
“cold”
という状態が現れてくる。


同じように、
This pen writes well.
という文も、
「ペンが書く」
というより、
「this pen」
という像がまず立ち上がり、
そこへ、
“ちゃんと書ける”
“スムーズに書ける”
という特徴が自然に現れている感覚に近い。


The coffee tastes strange.
The room feels warm.
The car runs smoothly.
なども同じです。
まず何かが立ち上がり、
そこへ、
どんな特徴や感覚が現れているのか、
が、
言葉になっていく。
だから英語では、
動詞も、
単なる「動作」というより、
その像へ、
どんな特徴が現れているのか、
として立ち上がりやすくなります。


一方日本語では、
もっと場全体や、
感覚そのものが先に存在していることが多い。
だから、
「寒い」
「なんか変」
「おいしそう」
のように、
状況や感覚そのものから、
自然に言葉が始まりやすい。
もちろん日本語にも主語はあります。
ただ、
英語ほど毎回、
中心の像を立ち上げ続けなくても、
場や流れの共有だけで、
自然に通じやすいのです。


だから日本語話者が英語を話そうとすると、
頭の中では感覚や状況が見えているのに、
英語側では、
「で、何について見えているの?」
を毎回求められているように感じやすい。
ここで、
日本語を英語へ翻訳しながら、
無理に組み立てようとしてしまうと、
苦しくなりやすいのです。


でも実際には、
英語は、
単語を無理やり並べるゲームではありません。
環境や刺激を受け取ると、
その中で何かが立ち上がり、
そこへ特徴や状態が現れてくる。
その流れ自体が、
自然と英語の形になっていきます。
だから英語では、
主語は単なる「文法上必要なもの」というより、
“今、自分の中で何が立ち上がっているのか”
その中心に近い存在なのです。


ここまでのコラムでは、
・なぜ英語が苦しく感じやすいのか
・日本語と英語では何が違うのか
・なぜ声が浮くのか
・なぜ英語が速く聞こえるのか
などについて、
「英語OS」という視点から、
少しずつ整理してきました。
そして今回見てきたように、
英語では、
まず何かが立ち上がり、
そこへ特徴や状態が現れてくる。
この流れそのものが、
英語の文法、
発音、
響き、
リズム、
さらには「英語らしさ」全体にも、
深くつながっています。
だから英語は、
単に単語を並べているわけではありません。
どこへ意識が向き、
何が立ち上がり、
その世界をどう感じているのか。
その感覚そのものが、
言葉として現れているのです。


今回で、
「英語のOSを整える」シリーズは、
ひとまず一区切りとなります。

ここまで読んでくださった皆さま、
本当にありがとうございました。

今後の続きについては、
主に note の方で、
もう少しじっくり整理しながら書いていこうと思っています。

次回からは、

be動詞、
冠詞、
時制、
発音、
曖昧音、
前置詞など、

英語のさまざまな仕組みを、
今回までの「英語OS」の視点から、
さらに少しずつ深く見ていく予定です。

カフェトークのコラムでも、
時々テーマを選びながら、
また書いていく予定ですので、

よかったら引き続き、
のぞいていただけたら嬉しいです。




プロフィール

英語講師のNaoです。日本育ちのまま英語を習得し、TOEIC990点取得(複数回)。20年以上、膨大な数の学習者を指導しながら、「なぜ話せないのか」「何が効くのか」を観察し続けてきた結果たどり着いたのが、処理構造そのものを整えるというアプローチです。私のレッスンの目的は、英語を自立して吸収できる土台を作ることです。その土台が整ったとき、英語は先生なしでも育ち続けるものになります。そこまでお連れすることを、使命としています。

このテーマについて、少しずつ続きを書いていく予定です。

同じ内容をnoteでも公開しています。 note

 

日本語コラムと合わせて、英語での発信(Substack)も少しずつ増やしていく予定です。→ Substack


 

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 「写真:夫撮影」





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