新学年が始まってから,少し時間がたちました。
4月は,新しい環境に慣れることで精一杯。
5月は,連休もあり,地域によっては運動会や修学旅行。
生活のリズムが少し崩れやすい時期です。
そして6月になると,学校生活の流れが少しずつ見えてきます。
でも同時に,6月は疲れも出やすい時期です。
雨の日が増える。
湿度が上がる。
空も気持ちも,なんとなく重くなる。
部活や通学で疲れ,家に帰るとついだらっとしてしまう。
「帰ったら勉強する」と言っていたのに,気づけばソファでごろごろ。
「ちょっと休むだけ」と言っていたのに,いつの間にかスマホ。
「あとでやる」と言ったまま,気づけば夜。
親はつい,
「いつやるの?」
「先に勉強しなさい」
「このままで大丈夫なの?」
と言いたくなります。
でも,大人でも梅雨どきは少ししんどいものです。
子どもにとっても,6月は意外と難しい月なのだと思います。
そんな時期に,
「毎日2時間勉強しよう」
「苦手を全部なくそう」
「今月こそ本気でがんばろう」
と大きな目標を立てると,かえって続かないことがあります。
梅雨どきの勉強で大切なのは,
無理にがんばらせることより,
小さく整えることです。
■ 目標は,小さい方が続きやすい
勉強が続かない子どもは,
やる気がまったくないわけではありません。
「やらなきゃ」
「このままではまずい」
「そろそろ勉強した方がいい」
そう思っている子も多いです。
ただ,目標が大きすぎると,最初の一歩が重くなります。
たとえば,
「数学を得意にする」
という目標は立派です。
でも,何から始めればよいかが見えにくい。
見えにくい目標は,動き出す前に疲れてしまいます。
それよりも,もっと小さくします。
数学なら,計算問題を1日3問だけ解く。
英語なら,英単語を1日5個だけ見る。
国語なら,漢字を1日5個だけ確認する。
理科や社会なら,一問一答を1日5問だけ見る。
生活面なら,学校から帰ったら,まずカバンを開ける。
このくらいで十分です。
小さすぎるように見えるかもしれません。
でも,勉強で一番大変なのは,実は「始めること」です。
3問のつもりが,5問になることもあります。
3分のつもりが,10分になることもあります。
最初から長くがんばらせるより,
まずは始めやすい形にすることが大切です。
■ 目標は「行動」で決める
6月の小さな目標は,できるだけ「行動」で決めます。
もちろん,
「テストで〇点を取る」
「成績を上げる」
「苦手をなくす」
という「結果」の目標も大切です。
でも,子どもにとっては少し遠く感じることがあります。
それよりも,
「ワークを1ページ開く」
「英単語を5個見る」
「途中式を省略しない」
「分からなかった問題を1つ質問する」
このように,
やったかどうかが分かる目標
にします。
「集中する」
「がんばる」
「ちゃんとする」
こういう言葉はよく使います。
でも,少しあいまいです。
子どもからすると,
「何をしたら,ちゃんとしたことになるの?」
となりやすいのです。
だからこそ,目標は気合いではなく,行動で決める。
これだけで,子どもは少し動きやすくなります。
■ 親が決めすぎない
目標を決める時,
親が全部決めすぎると,子どもは動きにくくなります。
親から見ると,
「もっと勉強した方がいい」
「ここを直した方がいい」
「このままでは困る」
と思うことはたくさんあります。
それは自然なことです。
心配だからこそ,先に言いたくなります。
でも,子ども自身が,
「これならできそう」
と思えていない目標は,なかなか続きません。
親子で話すなら,こんな聞き方はいかがでしょうか。
「6月に一つだけ変えるとしたら,何ができそう?」
「5分でできることなら,何がある?」
「数学1問,英単語5個,机を1分片づける,
この中ならどれが一番マシ?」
最後の聞き方は,少しゆるく聞こえるかもしれません。
でも,家庭では意外と大事です。
「どれをがんばりたい?」
と聞くと,子どもは身構えることがあります。
でも,
「どれなら一番マシ?」
と聞くと,少し答えやすくなることがあります。
立派な目標でなくていいのです。
本人が動ける目標にすることが大切です。
■ できなかった日を責めすぎない
小さな目標を決めても,できない日はあります。
雨で気分が重い日。
部活で疲れている日。
学校で嫌なことがあった日。
なんとなく何もしたくない日。
そういう日は,大人にもあります。
だから,1日できなかっただけで,
「ほら,やっぱり続かない」
「自分で決めたんでしょ」
「だから言ったのに」
と言ってしまうと,
子どもは目標そのものを嫌いになってしまいます。
大事なのは,できなかった日を責めることではありません。
次の日に戻れるようにすることです。
「昨日できなかったから,今日は1問だけやろうか」
「全部じゃなくていいから,5分だけ戻そうか」
「今日はカバンを開けるだけでもいいよ」
このくらいで十分です。
習慣は,毎日完璧に続けることより,
崩れたあとに戻れることの方が大切です。
続ける力とは,
一度も止まらない力ではありません。
止まっても,また戻れる力です。
■ 6月は「整える月」
6月は,派手に伸ばす月というより,
学習のリズムを整える月です。
4月と5月で少し崩れた生活。
新学年になって見えてきた苦手。
テストで分かった小さな穴。
帰宅後にだらっとしてしまう時間。
それを,一気に全部変える必要はありません。
まず一つで大丈夫です。
今日,親子で話すなら,この一言で十分です。
「6月に,一つだけ小さく続けるとしたら,何にする?」
大きな約束でなくてかまいません。
計算を3問。
英単語を5個。
漢字を5個。
ワークを1ページ開く。
カバンを開ける。
机の上を1分だけ片づける。
そのくらいでいいのです。
6月の目標は,大きくなくて大丈夫です。
小さく始める。
小さく続ける。
できなかった日は,小さく戻る。
その積み重ねが,夏以降の学習につながっていきます。
梅雨の時期は,気持ちも体も少し重くなりやすいものです。
だからこそ,梅雨どきの勉強は,
無理にがんばるより,まず足元を整える。
6月は,そんな月にしていけるといいですね。
このコラムのまとめマンガ

응답 (0)