日本語・韓国語講師の Hayoung_Eiko です ^ ^
韓国語を勉強していると、
思わぬところで文化の違いに出会うことがあります。
そのひとつが、
「年齢」です。
韓国人と話していると、
知り合って間もないのに、年を聞かれることがあります。
日本なら、
少しドキッとする場面かもしれません。
特に女性に年齢を聞くのは失礼だと考えられることもありますし、
初対面では避ける話題のひとつです。
でも韓国では、
それは特別なことではありません。
自己紹介をして、趣味の話をして、
少し打ち解けてきた頃。
ふいに聞かれることがあります。
最初の頃は、
「えっ、もう聞くの?」
と思いました。
でも韓国で暮らし、韓国語を学び、
たくさんの韓国人と出会う中で、
少しずつその理由が見えてきました。
韓国語は、
相手との関係によって言葉遣いが変わります。
年上なのか。
年下なのか。
同い年なのか。
それによって、
話し方も、
呼び方も変わります。
つまり、
年齢を知らないままだと、
どんな距離感で話せばいいのか決めにくいのです。
だから韓国では、
年齢を聞くこと自体が目的ではありません。
その人と、
どんな距離で話せばいいのか。
どんな言葉を選べばいいのか。
それを知るための質問なのです。
そして実際には、
「何歳ですか?」
というより、
「몇 년생이에요?(何年生まれですか?)」
と聞かれることの方がよくあります。
生まれ年が分かれば、
自然に年齢も分かりますからね。
大学生くらいになると、
今度は別の質問もよく聞きます。
「몇 학번이에요?(何年度入学ですか?)」
です。
日本では、
同じ学年なら同い年であることが多いですが、
韓国ではそうとも限りません。
兵役に行ったり、
留学したり、
休学したり。
さまざまな事情があるため、
同じ学年でも年齢が違うことは珍しくありません。
また、
日本にも
「先輩・後輩」
という言葉がありますが、
韓国ではそうした関係性を表す言葉がより細かく使われています。
例えば軍隊では、
「선배・후배(先輩・後輩)」
ではなく、
「선임・후임(先任・後任)」
という言葉が使われます。
誰が先にその環境にいたのか。
その順番がとても大切だからです。
さらに、
年配の方に年齢を尋ねる時は、
「연세가 어떻게 되세요?(ご年齢はいくつでいらっしゃいますか?)」
のような表現を使います。
尊敬の念を込めて、
健康状態を表す言葉もあります。
「변찮으시다(お変わりなくお元気でいらっしゃる)」
です。
こうした言葉に出会うたび、
韓国語には相手を敬う気持ちが、
細やかに息づいているように感じます。
韓国語を勉強し始めた頃の私は、
「どうしてそんなに年齢を聞くんだろう」
と思っていました。
でも今は、少し違います。
年齢そのものが大事なのではなく、
その人とどう向き合えばいいのかを知りたい。
そんな気持ちが、
その質問の奥にあるように感じます。
考えてみると、
人との距離は、
年齢だけで決まるものではありません。
初めて会ったのに、
ずっと前から知っていたように感じる人もいます。
反対に、
長い付き合いなのに、
どこか遠く感じる人もいます。
日本では、
年齢を聞かないことが配慮になることがあります。
韓国では、
年齢を知ることが配慮になることがあります。
同じ気遣いでも、
形はずいぶん違うものですね。
言葉を学んでいると、
単語や文法だけではなく、
人との距離の縮め方まで見えてきます。
だから私は、
こういう発見が今でも好きなのかもしれません。
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