



年一は行ってる愛実さんのコンサート。前半はショパン《舟歌》。
安定の愛実さんショパン。いつ聴いてもテクニックに不安がなく、安心して音楽の流れに身を任せられる。変なクセがなく自然。弱音が本当に美しい。個人的には彼女のショパンはエチュードが一番好き。この日の「舟歌」は透明な水面を眺めるような心地よさ。
続いてその空気感から流れ着いたかのような、ラヴェル「クープランの墓」。
最近毎晩のようにCharles Hamelinのラヴェルを聴いていたので、同じ曲でも弾き手によってこんなにも景色が変わるのかと改めて思う。
小林さんのラヴェルは、前のめりにならず落ち着いたテンポ。私の尊敬してやまないアムランさんは癖になるほど音楽の句読点をぶっとばしてロックに且つ音楽を流して美しく仕上げるのに対して、句読点を丁寧に収めていた。音楽のつなぎかたで音楽がガラッと変わる。細かな音の粒がきらきらと整い、どこを切り取っても美しいのは確か。最後の《トッカータ》がよかった。少しずつ熱を帯びながら頂上へ向かっていく流れが見事。
そして毎回思う。小林さんが弾くとクラシックが少しだけ現代の音楽になる。良い意味で白黒写真のような質感があって、それがラヴェルの洗練されたおしゃれさとよく似合う。
後半はシューベルトのソナタ。
シューベルトの長いソナタは、どんな名演でも気がつくと意識がどこかへ飛んでしまうことがある。笑。けど今回は目ぱっちり。
音と音の間にまで神経が行き届いていて、静かな場面も張り詰めた糸のような緊張感。中間部の少し混沌とした世界から最後のクライマックスへ向かう流れも素晴らしかった。
シューベルトって、この緊張感か構成力のどちらかが欠けると眠くなるか晩ご飯のことを考え始める(笑)、今回は最後まで物語の中にいた。
気づくと、その音の世界に深く連れていかれている。
音楽で物語を感じられるほどのテクニックと構成力があるピアニストは少ないのでこんな時間を味わえたことに感謝。
ps アンコールは3年連続でまさかと思いつつやっぱりトロイメライ笑
飽きないけど。とにかくリピです。
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