こんにちは! 講師のKaorinaです。
先日、小さなお子さんに日本語を教えている友人が、レッスンで使うイラストをインターネットで探すのが本当に大変だと言っていました。
「食べる」「走る」のような動作なら見つかっても、「あげる」と「もらう」のように、人と人との関係や物の動く方向を表す言葉や、「いく」と「くる」のように、話し手を基準に意味が変わる言葉になると、説明にぴったり合うイラストはなかなか見つかりません。
実は、私も以前はそうでした。
日本語教材用のイラスト集が入ったCD-ROMを買ったり、本を何冊も集めたりしていました。
でも、たくさんの素材があっても、自分が今教えたい言葉が必ず載っているわけではありません。
また、言葉は生きモノなので、日々、新しい言葉が生まれる一方で、死語となる言葉も出てきます。
良いシラバスのテキストでも、スキットに公衆電話やカセットテープが出てきて、スマートフォンやSNSが出てこなかったら、ちょっと使いにくいですよね。
レッスン中に資料を探すのに時間がかかったり、「あげる」と「もらう」の違いを説明するためにPowerPointで矢印や図形を組み合わせて図を作ったり、「いく」と「くる」を説明するために人物や建物を配置して移動の方向を表したり…。
日本語を教え始めた頃は、教材を作るだけで、かなりの時間と労力を使っていました。
でも、今は本当に便利な時代になりました。
生成AIに「子ども向けに、りんごを食べている男の子のイラストを作って」「『あげる』と『もらう』の違いが分かる図を作って」「『いく』と『くる』を説明するイラストを作って」「例文は日本語で、説明文は英語で入れて」などとお願いすると、短時間で教材のたたき台を作ってくれます。
例文を考えてもらったり、会話練習を作ったり、ワークシートのアイデアを出してもらったりすることもできます。
以前なら何時間もかかっていた作業が、驚くほど短時間で終わることも少なくありません。
ただし、AIがすべてをやってくれるわけではありません。
生成AIに指示を出す前に、「どんな教材なら学習者に伝わるだろう」と考えること。
そして、AIが教材を作ったあとに、「この教材を使って、どう教えれば理解が深まるだろう」と考えること。
もちろん大前提として、AIが作ったものが正しいのかを見極めるスキルは必要です。
教材を作ることと、それを使って相手に伝わるように教えることは、似ているようで、まったく別の仕事です。
AIは教材づくりを手伝ってくれますが、学習者の表情を見ながら説明を変えたり、理解できた瞬間を一緒に喜んだり、不安そうなときに励ましたりすることは、人だからこそできることです。
そこには、知識や教えるスキルだけではなく、その人ならではの人柄や温かさ、安心感、相手への気づかいがあります。
同じ教材を使っても、「誰が、どのように教えるか」で、レッスンの印象や学びやすさは大きく変わります。
だからこそ、単純な作業はAIというアシスタントに手伝ってもらい、人にしかできない部分に、より多くの時間と労力を使うことが大切なのではないかと考えています。
現在は、ChatGPT、Gemini、Claude、Copilotなど、さまざまな生成AIがあります。
それぞれ得意なことが少しずつ違うので、「どれが一番優れているか」ではなく、「自分のレッスン準備を一番助けてくれるAIはどれか」という視点で試してみることをおすすめします。
例えば、イラスト作成が得意なAI、文章や例文を考えるのが得意なAI、アイデア出しが得意なAIなど、それぞれに個性があります。
まずは無料版を使ってみて、自分の教材づくりとの相性を確かめてみるとよいでしょう。
「このAIなら、レッスン準備がかなり楽になる」と感じたら、有料プランを検討するのもおすすめです。
月額3,000円前後のプランになると、ChatGPTの「GPTs」やGeminiの「Gems」のように、自分専用のAIアシスタントを作れる機能が利用できます。
例えば、「子ども向けの優しいタッチのイラストで統一する」「日本語教材向けのデザインや表現に統一する」といった設定をあらかじめ覚えさせておけば、毎回長い指示(プロンプト)を書かなくても、イメージに近い教材を効率よく作れるようになります。

AIは、教える人の代わりになる存在ではありません。
でも、教材づくりを支えてくれる、とても心強いパートナーになってくれます。
便利なところはAIに手伝ってもらい、その分、生徒さん一人ひとりと向き合う時間や、より良いレッスンを考える時間を大切にする。
そんなAIとの付き合い方が、これからの教材づくりを、もっと楽しく、もっと豊かなものにしてくれるのではないでしょうか。

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