■ きれいなワークは,安心に見える
テスト前になると,
親は子どものワークが気になります。
「ワーク,進んでる?」
「提出できそう?」
「間違えたところ,ちゃんと直した?」
そう聞きたくなるのは自然なことです。
子どもがワークを見せてくれる。
ページは全部埋まっている。
間違えた答えは消してある。
正しい答えが赤で書いてある。
赤丸も付いている。
親としては,少し安心します。
「あ,ちゃんと直してある」
「これなら提出できる」
「とりあえず終わっている」
そう思うかもしれません。
でも,ここに親あるあるがあります。
ワークがきれいに直っていると,
勉強も終わっているように見えてしまうのです。
本当は,
最初に何を間違えたのか。
自力で直せたのか。
答えを見て写しただけなのか。
もう一度解いたらできるのか。
そこが大切です。
バツを消して赤丸にしてしまうと,
その大切な情報まで消えてしまうことがあります。
■ バツは,復習の目印
バツが残っているワークを見ると,
親は不安になります。
子ども自身も,
バツを残したくないと思うかもしれません。
でも,バツは悪者ではありません。
バツは,
「ここに戻ればいいよ」
と教えてくれる目印です。
特に数学では,
間違えた答えそのものにも意味があります。
符号を間違えたのか。
途中式を飛ばしたのか。
公式の使い方を間違えたのか。
問題文を読み違えたのか。
そこを見ることで,
次に何を直せばよいのかが分かります。
だから,間違えた答えは,
すぐに消さなくていいのです。
■ 「ふす・ふね・ころも」で残す
前回は,問題集を何周するかについて,
「ふす・ふね・ころも」という印の付け方を紹介しました。
印を付けるのは,
正解した問題ではありません。
間違えた問題だけです。
1周目で間違えた問題には「フ」。
2周目でも間違えたら,
そこに一筆書き足して「ス」。
3周目でも間違えたら,
さらに一筆書き足して「不」。
4周目でも間違えたら「ネ」。
5周目でも間違えたら「衣」。
正解した問題には,基本的に印を残しません。
つまり,印がある問題ほど,
何度も戻る必要がある問題です。
テスト前には,
その印のある問題から見直せばよいのです。
■ ワークには,いつ書き込むか
ただし,学校のワークは提出物です。
いつまでも白紙のままにはできません。
だから大切なのは,
ワークに書き込むかどうかではありません。
いつ書き込むかです。
おすすめは,
最初はノートに解くことです。
1周目はノートに解く。
間違えた問題だけ,ワークに「フ」と書く。
2周目は,「フ」の付いた問題だけをノートに解く。
また間違えたら,「フ」に一筆書き足して「ス」にする。
そして提出前に,
理解を確認してからワークに書き込む。
今の例だと,
1周目で正解した問題も,
提出前にワークへ書き込むときにもう一度確認できます。
「フ」や「ス」などが付いた問題は,
それまでに何回も解き直すことになります。
そのころには,かなり自力で解けるようになっているはずです。
この順番にすると,
ワークは提出物でありながら,
復習の地図にもなります。
「フ」や「ス」の印も残っていますから,
テスト前日にワークを見返した時に,
「ああ,ここは何度も間違えたな」
と思い出し,記憶を鮮明にすることができます。
もちろん,学校の先生から,
直接ワークに書くよう指示がある場合は,
その指示を優先します。
■ 親が見るのは,赤丸の数ではない
親が本当に見たいのは,
赤丸の数だけではありません。
一度目でできたのか。
二度目でできたのか。
何度も同じ問題で止まっているのか。
前より間違いが減っているのか。
そこです。
ワークが全部赤丸でも,
答えを写しただけなら,
力が付いたとは言えません。
反対に,
ワークに「フ」や「ス」が残っていても,
そこに戻って解き直しているなら,
それは前に進んでいます。
伸びる子の親は,
バツを見てすぐに叱るのではなく,
「ここ,もう一回やってみようか」
「次はここから戻ればいいね」
と,次につながる見方をします。
■ きれいなワークより,戻れるワーク
きれいなワークは,
見た目には安心できます。
でも,伸びるために必要なのは,
きれいに見えるワークではありません。
あとから戻れるワークです。
バツを消して赤丸にするより,
どこで間違えたのかを残す。
最初からワークを埋めるより,
まずノートに解いて,
間違えた問題だけ印を残す。
そして提出前に,
理解を確認してから書き込む。
ワークをきれいにすることより,
ワークを使える状態にすること。
そこを意識するだけで,
復習の質は大きく変わっていきます。
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