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第21回:伸びる子の親は,「速さ」より「始める力」を見る

じゅんじ / John

「宿題,もう終わった?」

家庭では,
よく出てくる言葉だと思います。

もちろん,
宿題を終わらせることは大切です。

でも,子どもたちを見ていると,
宿題で差がつくのは,
終わる速さより,始める力
だと感じることがあります。

早く終わらせる子より,
面倒でも,ちゃんと始められる子。

そんな子の方が,
あとから伸びていくことがあります。

■ 「あとでやる」が,一番長い

学校から帰ってきて,少し休む。

おやつを食べる。

スマホを見る。

そして,「あとで宿題やる」となります。

ところが,その「あとで」が,なかなか来ません。

そこで親も,「早くやりなさい」と言いたくなります。

でも,本人も分かっています。
やらないといけない。

分かっているけれど,
始められない。

ここで困っている子は,
案外多いと思います。

■ 「まだやらないの?」が,逆効果になることもある

子どもがなかなか始めないと,
「まだやらないの?」
と言いたくなることがあります。

でも,
その一言が,
かえってやる気を下げてしまうこともあります。

この点については,
第14回:「まだやらないの?」|やる気を消してしまう声かけ
でも取り上げました。

急かすより,
「最初の1問だけやってみたら?」
くらいの方が,
始めやすいことがあります。

今回は,その先の,
「どうしたら始められるか」
を考えてみます。

■ 伸びる子は,「やる気が出てから」始めていない

勉強を始められる子を見ていると,
いつもやる気満々というわけではありません。

むしろ,
やる気がなくても,とりあえず始める
ことができます。

数学のワークを開く。
英単語を5個だけ見る。
プリントを机の上に出す。

それだけです。

この点については,
「やる気が出たら勉強する」は逆?|勉強が動き出す小さな順番
というコラムでも書きました。

やる気が出るのを待つのではなく,
小さく動き始めることで,
あとから気持ちがついてくることがあります。

だから私は,
やる気より,開始
の方が大切だと思っています。

■ 「全部やりなさい」より,「まず開いてみたら?」

ここで,
伸びる子の親あるあるです。

子どもがなかなか宿題を始めない時,
「全部終わらせなさい」
と言うより,
「とりあえず開いてみたら?」
と言う。

あるいは,
「最初の1問だけやってみたら?」
「5分だけやってみたら?」
と,
始めるハードルを下げます。

「数学のワークを10ページやる」
と思うと重たい。

でも,
「ワークを開く」
ならできます。

大きな課題も,
最初の一歩まで小さくすると,
動きやすくなります。

■ 早く終わらせることばかり考えると

もう一つ,
気をつけたいことがあります。

宿題を,
「とにかく早く終わらせるもの」
と考え過ぎると,
途中式を省いたり,
字が雑になったり,
答えだけを書いたりして,
あまり効果のないやり方
になっていることがあります。

早く終わること自体が悪いわけではありません。

でも,
速さのために,考える過程まで省いてしまう
のは,
もったいない。

宿題は,
終わらせるためだけにあるのではなく,
できるようになるためにある。

だから,
「何分で終わったか」
だけではなく,
「どんなやり方で取り組んだか」
にも目を向けたいところです。

■ 「早く終わったね」より,「すぐ始められたね」

子どもが宿題を早く終わらせた時,
「早かったね」
と褒めることがあります。

もちろん,
それもいいと思います。

でも私は,
始められたこと
にも目を向けてほしいと思います。

例えば,
「今日は帰ってから,すぐ始められたね」
「面倒そうだったけど,ちゃんと机に向かったね」
そんな声かけです。

早く終わるかどうかは,
問題の難しさによって変わります。

でも,
始めることは,自分で選べます。

■ 終わる時刻より,始める時刻

「いつやる?」
と毎日考えるのも,
意外と疲れます。

ですから,
始める時刻やきっかけを,ある程度決めておく
のも一つの方法です。

例えば,
「18時から勉強する」
ではなく,
「18時になったら,数学のワークを開く」
と決める。

大切なのは,
「何時までに全部終わらせるか」
だけではありません。

むしろ,
「いつ,最初の一歩を踏み出すか」
を決めておく。

終わる時刻より,
始める時刻。

これだけで,
家庭学習が安定することがあります。

■ 親が毎日エンジンをかけなくてもいいように

小さいうちは,
「宿題やった?」
「そろそろ始めようか」
という声かけが必要なこともあります。

でも,
ずっと親がエンジンをかけ続けるわけにはいきません。

いつかは,
自分で始められる人
になっていく必要があります。

だから家庭では,
宿題を全部見張るより,
「どうしたら始めやすくなるかな」
を一緒に考える。

教材を出しておく。
机の上を整える。
始める時刻を決める。
最初の1問だけやる。

そうやって,
始めるための仕組み
を作っていく。

それも,
伸びる子を支える親の関わり方だと思います。

■ 宿題で大切なのは,「速さ」より「開始」

宿題を30分で終わらせる子。
1時間かかる子。

時間だけを比べても,
あまり意味はありません。

大切なのは,
自分で始められたか。

そして,
丁寧に取り組めたか。

そこだと思います。

親ができるのは,
「早く終わらせなさい」
と急かすことより,
「まず,始めてみようか」
と,
最初の一歩を小さくしてあげること。

そして,
終わった速さだけでなく,
どう取り組んだかを見ること。

伸びる子の親は,
始められた瞬間も,
取り組んでいる過程も,
ちゃんと見ています。

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The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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