前回までのコラムでは、学習した知識をどのように記憶に定着させるのかについて、心理学的な視点からお話ししました。
では、蓄積した知識を実際の会話で使えるようにするには、どうすればよいのでしょうか?
「テキストはこんなに進んでいるのに、なかなか話せない」
「まだまだ知識が足りないのではないか」
実際にレッスンをしていると、このようなお悩みを伺うことがあります。
しかし、僕自身は、簡単な会話をするための知識はすでに持っている方も少なくないと感じています。
では、なぜ話すことが難しいのでしょうか?
その理由の一つとして考えられるのが、**「処理の自動化」**です。
言語の自動化とは?
例えば、皆さんが日本語を話すときのことを想像してみてください。
「今から過去の話をするから、過去形にしなくちゃ……」
このように、一つひとつ文法を考えながら話しているでしょうか?
おそらく、ほとんど意識せずに言葉が出てきていると思います。
これが処理の自動化を理解するうえで、分かりやすい例です。
一方、習い始めたばかりの外国語ではどうでしょうか。
習った文法を思い出し、単語を選び、文章を組み立ててから話すことも多いと思います。
これでは、会話をするだけでもかなりの労力が必要になります。
しかし、実際に言葉を使う練習を重ねることで、こうした処理は少しずつ、より素早く自然に行えるようになると考えられています。
知っている言葉を、使える言葉へ
では、自動化を進めるには何が必要なのでしょうか?
重要なのは、実際に言葉を使う練習を繰り返すことです。
ただし、単純に同じ文章を繰り返すだけではなく、使う場面や伝えたい内容を変えながら練習することも大切です。
例えば、習った過去形を使って昨日の出来事を話したり、週末にしたことを友人に伝えたりする。
そして、相手からの予想していなかった質問にも答えてみる。
このように、実際のコミュニケーションを意識した練習が役立つと考えられています。
僕自身、言語学習はスポーツの練習に少し似ていると思っています。
知識として理解することも大切ですが、それを実際に使えるようにするには、やはり実践が必要です。
普段はテキストや単語帳で知識を増やしながら、レッスンや友人との会話では、今持っている知識を積極的に使ってみる。
「知っている韓国語」を「使える韓国語」に変えていく。
そんな意識を持って学習してみるのも面白いのではないでしょうか?
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