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Cafetalk Tutor's Column

中村勇太 講師のコラム

当日リハーサルの現場

2016年11月28日

今年も無事にリサイタルを終えることができました。

自分の中の理想通りとは行きませんが、今までで一番楽しかったと仰っていただけて、ホッとしています。

理想がどんどん高くなると緊張感と疲弊も年々重くなりますが、これがレッスンにも活きると思います。

 

前にも書きましたが、音律のことで耳と指の加減を鍛えられたのがアダージョとアレグロ。

♭と#だらけの曲です。

ヴァイオリンだけで気持ちいい音程(ピタゴラスや純正律)をとっているとピアノ(平均律)とあいません。

高く聴こえて目立ったりします。

もちろんそうやって目立たせるところもありますが、ピアノ和声と一緒に進行したり、同じメロディをリレーしていくところは揃えないといけません。

 

ピアノの音程に合わせるから気持ちよく弾けないと諦めるか、ギリギリまで音程を攻めていくか。

自分は攻めます。可能な限り美しく弾きたいですから。

 

ただ、平均台と同じなので、落っこちることもしばしば。

 

会場のピアノによるので、数十分のリハーサルは試行錯誤の連続で、自分を会場に合わせていきます。

 

どうやって音を言い切るかという右手の問題(残響)と、どこまでならヴァイオリンの立場で気持ちいい音程でやっていいか・・・指の関節の伸ばし加減を変えます。今回は指遣いも当日変えました。

こういうときに指の皮が硬くなっていると変になるので、今回は慎重に指先にやすりもかけました(笑)

 

ピアニストはピアニストで、いろんなアンテナを立てているようです。僕の精神状態までわかるんだそうです( ̄▽ ̄;)

 

ということで、リハーサルの試行錯誤の様子がこちら。エアコン効きすぎて楽器が吠えてます・・・

リハーサルは合わない方がいい要素もあるんです。どこまでやれそうか掴む感じ。

ヴァイオリンは音程のツボが小さいから本当に気になりだしたらきりがありません。

でも突き詰め続ける。そういう自分の内側へのプライドをもてるようにレッスンでお手伝いしたいと思います。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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