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Cafetalk Tutor's Column

中村勇太 講師のコラム

4本の弦を使い分ける

2017年4月11日

そして今日もCafetalkでレッスン中の曲から〜。

ヴァイオリンなどの弦楽器の特徴は、同じ音高でも(低い弦でしか出ない音でない限り)数通り弾き方があります。

例えば、ピアノには442Hzのラの音(A)は1つの鍵盤にしかありません。

ヴァイオリンだと・・・G線、D線、A線と3通りあります。

G線で弾くと、指板のとても高い場所を押さえるので、弓の摩擦で振動する弦の長さは短くなり、弦の張り具合、緊張を生かしてふくよかだったり、勇ましい音になったりします。

D線ですと、弦の緊張もさほどなく、弓の毛が弦をつかみやすく、楽器も鳴りやすいです。穏やかな音になります。

A線だと開放弦なので、溌剌とした音になります。

実は楽器によっても各弦、各音高の鳴り方は違いますし、弾く人によっても手の形や得意な指遣い、不得手な指遣い、癖もあります。

これを音の流れの中で使い分けていく思慮、使いこなす訓練はもちろんですが、伝統的に「これが良り良い」と編み出されてきた指遣いを学ぶことが大切ですね。

そのとき、「なぜこの人は、この弦のこの指を指定したんだろう?」と考えることが肝要です。

理由もなく弦の指定と指番号だけ追っかけていると・・・音に意志が入りません。

ラロのスペイン交響曲は、フラメンコ風のところと、悲歌のようなところの場面転換がコツです。しかし冒頭から・・・難しい。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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