もうすぐ端午節(たんごせつ)ですね。台湾の端午節で欠(か)かせない食べ物といえば、ちまきです。レッスンで生徒さんに「日本でも端午節にちまきを食べますか」と聞かれることがあります。
日本では端午節を端午の節句(たんごのせっく)と呼んでいて、この日にちまきを食べますが、甘いちまきです。笹(ささ)の葉(は)で白いお餅(もち)を包(つつ)んだもので、和菓子(わがし)の1つです。特に関西(かんさい)でよく食べられていて、厄除(やくよ)けのためだと言われています。
ちなみに、京都の祇園祭(ぎおんまつり)では厄除けのお守(まも)りとしてちまきがよく売られています。これは食べ物ではなくて、中身(なかみ)は稲(いね)のわら(稻草)です。
【日本の端午の節句に食べるちまきは形が細長(ほそなが)いです。】
【京都のちまきはお守りとして玄関(げんかん)に飾ります。】
台湾ではもち米(ごめ)と豚肉(ぶたにく)や干(ほ)しエビ(蝦米)などの具材(ぐざい)を竹(たけ)の葉で包んで蒸(む)した(南部では茹(ゆ)でた)ものをよく食べますね。このタイプのちまきは日本で中華(ちゅうか)ちまきと呼ばれることも多いです。
以前は高雄に住んでいて、台湾のちまきはピーナッツたっぷりで食感(しょっかん)がもちもちというイメージが定着(ていちゃく)していました。ですから、宜蘭に引っ越してから、初めてちまきを食べた時は、それまで食べていたちまきと全然違っていたので、ちょっとびっくりしました。同じ名前の食べ物でも地域(ちいき)によっていろいろな違いがありますね。
ところで、日本の端午の節句は旧暦(きゅうれき)ではなく、新暦(しんれき)/西暦(せいれき)の5月5日です。鯉(こい)のぼりを上(あ)げたり、人形や兜(かぶと)などを家に飾ったりして、男の子の健康と成長(せいちょう)をお祝(いわ)いする行事です。
もともと中国から伝(つた)わった端午節ですが、長い年月(ねんげつ/としつき)を経(へ)て日本独特(どくとく)の行事(ぎょうじ)に変化(へんか)したようです。