日本語を話すスピードが急に上がった台湾人日本語学習者の話

anegawa

日本語を勉強しているみなさん、日本語を話すスピードを上げて練習をしましょう。

日本語のビギナーは当然、話すスピードは遅いです。でも日本語のレベルが上に上がっていくにつれて話すス

ピードは上がります。


たまに日本語のレベルは高いのに話すスピードは遅い人という人もいます。これはこれで問題ですので改善し

たほうがいいでしょう。



さて


最近、急に話すスピードが上がり、日本語が聞きやすくなった日本語学習者がいます。

その生徒は中国語母語話者で、私のところに来たのは1年3か月ほど前で当時のレベルはN4でした。

(私の対象は、上級者だけなのですが、正確な日本語を話すのでレッスンをその後も続けました。)


これまで50回以上レッスンし、前回12月のJLPTでN2に合格しました。(N3は飛ばしました。優秀です

ね。)




この生徒に対して。

最初の頃、感じていたのはとても正確な日本語を話すということでした。


話すスピードは遅かったのですが、これはN4ですから仕方がないでしょう。


母国台湾の仕事を辞め、今年の4月日本の日本語学校に来て頑張っています。

レッスンでは、半年前ぐらいから話すスピードを上げるため、日本語を話すスピードを上げる意識を持つよう

にアドバイスしました。


本人は、日本語の会話では、「日本語を聞いて、中国語に変えてそれから日本語を話すのでちょっと無理で

す」と
言っていました。



そのため、レッスンでは、同じ文を何回も読んで、そしてその文を見ないでアウトプットし、その次はスピー

ドを上げ
てアウトプットする練習を取り入れました。

何度も読み、話し、時々主語を変え、述語動詞を変え、目的語を変え、応用力がつくように練習しました。


この練習の効果と本人の早く話そうとする意識が功を奏してかどうかはわかりません。ただ、この生徒の日本

語を話すスピードが明らかに上が
りました。先週のレッスンで分かりました。本人は、「日本語を話すときの

スピードを上げる意識をしている」と言っていました。



自分で意識するところが素晴らしいです。


もともと勉強熱心で、ひねった質問をしても的確な答えをする生徒でした。自分でもかなり勉強しているのが

くわかります。




やはり意識が大事です。日本語を頑張ろうという意識、たくさん日本語を勉強しようという意識

正しい日本語を話そうという意識、日本語の弱点を克服しようとする意識、日本人を見たら話しかけようとい

意識(日本国ににいる外国人の皆さんの場合)などなどなど。




尚、日本語の先生で日本語をゆっくり話す先生がいます。N5N4では、それがいい場合がほとんどですが、

N2N1になると恐ろしいほどリスニング力が上がります。こちらが思っている以上にN2N1のリスニング

レベルは高いです。語彙力文法
力も高いです。


素人の先生やキャリアの浅い先生は、生徒の話す日本語が遅いから自分もゆっくり日本語を話すという人がい

ます。話すスピードは遅くても聞く力はすごいのがJLPTを勉強している生徒の特長です。


「先生の日本語は早すぎます」と言われたらスピードを落とせばいいですし、日本語講師はなるべく早く話し

たほうが
生徒にはいいリスニングの練習になります。

JLPTではスピーキングの試験はありませんが、リスニングの試験はあります。生徒はリスニング力を鍛えに鍛

えています。


私は月3回ボランティア日本語教室で日本語を教えています。そこでは、日本人と言うだけで日本語を教えて

いる人がいます。

N2で日本語ペラペラ
の生徒に、ゆっくりした日本語で話しかけていました。分かり易いように遅いスピード

でその人は話したのでしょうが、N2の生徒は多分、不満に思ったでしょう。




生徒からもっと早く話してくださいと先生に言うのは気が引けるかもしれません。

ですから、慣れた日本語の先生、ベテランの日本語の先生、上手な日本語の先生は、生徒のJLPTのレベルや話

スピードや内容などを聞いて、自分(先生)が話す日本語のスピードを調整しないといけないわけです。

瞬時に、そして臨機応変に生徒に合わせたスピードで話すことが大事でしょう。

もちろん、ときどき「このスピードで大丈夫ですか」と聞くことも大事です。



今日話題にした生徒は、極めて早く日本語のレベルを上げるでしょう。そう願っています。



日本語の先生の一番の仕事は、生徒の日本語のレベルを上げるこ

だと思います。


楽しいレッスンで満足したという生徒も先生もこれでは疑問符が付きます。

「煮詰まったら」を「行き詰まったら」という意味だけで教えるようでは先生失格です。

話すだけのレッスンを提供するようでは先生失格です。(生徒がそれを望む場合を除いて)




余談
ビジネス日本語では「大丈夫ですか」は、下から上はだめと言われております。



「速く」と「早く」  今回は「早く」を使いました。厳密には下記のようです。

速く話す➡話しているときのスピード 

「あの人、話すスピードが速くてテンポが合わないね。もっとゆっくり話したらいいのに。」

早く話す➡話すまでのスピード   

「あなた、私のこと好きなんでしょ。早く結婚してほしいと言ってよ!」 

「いえ、結婚と恋愛は別なんですよ。」 

速いスピードで話すことを「早口」といいますが、「速口」とは書きませんねぇ。どう考えればいいのでしょ

うか?

両方とも「早い」でもいいかもしれません。

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This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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