日本語教師(にほんごきょうし)のYuka777です。
会社の飲(の)み会(かい)がありました。
同僚(どうりょう)の田中(たなか)さんのコップが空(から)になっていたので、
Aさんは田中さんに「ビール、飲(の)みますか?」と聞きました。
田中さんは「あ、大丈夫です」と言ったので、Aさんは田中さんのコップにビールをつぎ(※1)ました。
すると、田中さんは、ちょっと不機嫌(ふきげん)な顔(かお)をしました。
(※1)つぐ=飲(の)み物(もの)をコップなどに入れること
「大丈夫です」と言った田中さんは、どうして不機嫌になったのでしょうか?
実は、「大丈夫」という日本語には、色々(いろいろ)な意味(いみ)があります。
場面(ばめん)によって、色々な使い方ができるので、Yesの意味で使うこともあれば、Noの意味で使うこともあります。
本来(ほんらい)・もともとは、
1.強(つよ)くて、しっかりしている。安心(あんしん)できるようす
① 壊(こわ)れにくいもの、に使われます。
例:「このコップはプラスチックでできているから、スーツケースに入れても大丈夫だね。」
② 人に対(たい)しても使われます。
頼(たよ)りになる人・安心できる人・仕事ができる人など
例:「山本(やまもと)さんに、この仕事をまかせておけば大丈夫ですね。」
2.間違(まちが)いがなく確(たし)かなようす
① 時間(じかん)を確認(かくにん)するときに使われます。
例:「もう5時ですけど、まだ時間は大丈夫ですか?」
「大丈夫、約束(やくそく)は 忘(わす)れないよ。」
② 何かがうまくいくことを願(ねが)うときに使われます。
例:(テストに受(う)からなくて、がっかりしている友達(ともだち)に対して、「今度(こんど)は大丈夫、きっと うまくいくよ!」
そして、
3.必要(ひつよう)・不要(ふひつよう)を確認する
②困(こま)っている人、気分(きぶん)が悪そうな人、手伝(てつだ)いが必要(ひつよう)な人に対して、「大丈夫ですか?」と聞くことができます。
「大丈夫です。ありがとう」と言われたら、「NO」つまり、「手伝いは不要(ふよう)・いりません」という意味になります。
最初(さいしょ)の文(ぶん)で、Aさんは田中さんに「ビール、飲(の)みますか?」と聞きました。
田中さんは「あ、大丈夫です」と言いました。断
↓
田中さんは、「大丈夫です。いりません・必要ありません」と言っていたんですね。
でも、Aさんは、大丈夫=「お願いします」だと思っていました。
最近では、スーパーやコンビニなどでも「ポイントカード作りますか?」「お弁当(べんとう)は温(あたた)めますか?」と聞かれて、「いいえ」と断(ことわ)る代(か)わりに、「大丈夫です(=必要ありません・いりません)」と答えるのをよく聞きます。
日本語の勉強(べんきょう)を始(はじ)めた方には、肯定(こうてい・Yes)なのか、否定(ひてい・No)なのか、「どっちなの?」って思いますね。
否定(No)で使われる「大丈夫」は、はっきりと断(こと)わると相手(あいて)に対して申(もう)し訳(わけ)ないな という気持(きも)ちと、「気にしないで」「悪く思っていません」という気持ちが こめられています。
使い方を間違えると、とても、誤解(ごかい)されやすい「大丈夫」ですが、
その人の表情やジェスチャーなどから、「No」をよみとってみてください。
例:お寿司屋(すしや)の店員(てんいん)さんが「ワサビいりますか?」と聞いたら、お客さんは
あ~、大丈夫です」言いました。→これは「No」「いらない」という言葉をsoftな気持ちで断りましたね。
まだまだ色々な、否定で使われる「大丈夫」があると思うので、誰かが話しているのを聞いてみてください!
長い文章を読んでいただいて、ありがとうございました。以前のコラムにも「全然、大丈夫」って使っても大丈夫?」というコラムを書きましたので、ぜひまた読んでみてくださいね!
少しでも私のレッスンに興味(きょうみ)をもっていただけるとうれしいです。
レッスンでお待ちしています。
Yuka777