カウンセリングは生活の一部に、カウンセラーのayakoです。
皆さん、いかがお過ごしですか?
今日は、「愛なき環境で人は生きられるのか」のお話です。
ちょうど数日前に、知らない日本の番号からスマートフォンに電話がかかってきました。
それもフェイスタイムだったので、「iPhoneを持っている日本の誰かからだな」と思いました。
ただ、私が登録していない番号だったんですね。
「出るのはあまりよくないかな」と思って出なかったのですが、同じ番号から2回かかってきました。
私は、日本にたくさんの友達や知り合いがいるわけではないので、「日本の番号でかかってくるなんて、何だろう?」と思いました。
インドネシアの番号ならよく営業の電話がかかってくるので出ないと決めていますが、日本の番号だったので少し心配になりました。
そこで、両親に「こんな番号から電話がかかってきたんだけど、出なくてよかったよね?」と連絡したところ、案の定、それは祖母の電話番号でした。
私の祖母は現在94歳で、数日前から入院しています。
なかなか自分で呼吸するのが難しくなり、心臓に負担がかかっているとのことで、近所の病院に入院しているそうです。
今のところ退院の目安は立っていません。
父と母の話では、祖母は相当まいっているようで、入院初日から「家に帰りたい」と言っていたそうです。
今は面会ができず、父が必要なものを届けに行く程度ですが、祖母の病室は個室ではなく、他の3~4人と同室です。
私の実家は二世帯住宅で、祖母は1階に住み、私たちは2階に住んでいました。
私と兄が家を出るまでは4人家族で暮らし、二世帯住宅ではあったものの、頻繁に顔を合わせ、一緒にご飯を食べることもありました。
私が帰国した際には、祖母と一緒に食事をしたり、祖父の仏壇に線香をあげに行ったりしていました。
そんな祖母が今、家族から離れ、一人で病院にいると思うと、本当に寂しいだろうなと感じています。
今回、祖母は心臓の問題で入院しましたが、それ以上に精神面の影響が心配です。
祖母の状況を考えていた時、心理学を勉強していた時に知ったある実験を思い出しました。
この実験は大昔、ローマ帝国の時代に行われたものです。
また、それと似た実験を、1887年~1974年に生きたアメリカの心理学者ルネ・スピッツも行いました。
対象は赤ちゃんで、「言葉を一切教わらなかった赤ちゃんは、どんな言葉を話すようになるのか?」というテーマのもと、ローマ帝国時代に行われました。
対象は50人の赤ちゃん。
実験の条件として、衣食住や生きるための世話はきちんと行うけれど、スキンシップは一切とってはいけない、というものでした。
具体的には、
•赤ちゃんの目を見てはいけない
•赤ちゃんに笑いかけてはいけない
•赤ちゃんに話しかけてはいけない
一方で、生きるための世話として、
•ミルクを与える
•お風呂に入れる
•排泄の処理をする
といった対応は行われました。
結果、3歳までに49人の赤ちゃんが亡くなり、最後の1人も6歳で亡くなったそうです。
これは本当に衝撃的な結果です。
生きるための最低限の環境が整っていたにもかかわらず、スキンシップを受けられないことで、赤ちゃんたちは命を落としたのです。
ローマ帝国の実験の後、アメリカの心理学者ルネ・スピッツは、戦争で孤児になった乳児を対象に同様の実験を行いました。
対象は55人の赤ちゃんで、やはりスキンシップを一切行わない環境で育てました。
結果はローマ帝国の実験と同じようなものになり、
•55人中27人が2年以内に死亡
•17人が成人前に死亡
•残った11人の多くに知的障害や情緒障害が見られた
というものでした。
人と目を合わせてコミュニケーションを取る、笑い合って話す。
こうした行為には、想像以上に大きな力があるのです。
この実験は赤ちゃんを対象としたものでしたが、大人にも通じるものがあるのではないでしょうか。
私の祖母も、もちろん看護師さんやお医者さんが話しかけてくれているとは思います。
しかし、極端にコミュニケーションが減ると、大人でも精神的に影響を受けるのではないかと思います。
逆に、目を見て話す、笑い合う機会が増えることで、私たち大人も何かしらの改善が期待できるのではないでしょうか。
祖母の様子を両親に時々聞きながら、一日も早い退院を願っています。
この実験結果に驚いた方も多いかもしれませんが、改めて「スキンシップ」「コミュニケーション」について考えてみるのもいいかもしれません。
今日は、「愛なき環境で人は生きられるのか」の話でした。
では、またお会いしましょう。
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