ついに彼女と両想いになった。
でも、部活終わりに手を繋いで帰るようなことはなかった。
僕たちはどちらもそんなタイプじゃなかったし、
恥ずかしくて到底できそうになかったからだ。
デートらしいデートもしていない。
彼女の家は厳格で、休日には門限を厳守しなければならなかった。
一度だけ、二人でお祭りに行こうという話があったけれど、
「門限に間に合わないから」
と彼女が申し訳なさそうに言い、結局取りやめになった。
正直、少しだけ残念だった。
けれど、それは大した問題ではなかった。
教室でどうでもいい話をする。
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