「日本に『5月病』という深刻な現代病がある。イタリアには似たようなものはある??」最近、私は日本人の友達と話していたこことだ。
私は残念ながらこの言葉を聞いたことがなかったのでGoogle先生に聞いてみたところ、新年度となって初めての連休を迎えたあとの5月くらいに見られる「気分の落ち込み」の総称との回答があった。特に就職・転職・進学など環境が大きく変化した人が5月病にかかりやすいとのことだったので、今の時期に発病し始めるのだろうと想像できる。これは責任感の強そうな日本人に特に付きまとっていそうな病だと思った。
意外かもしれないが楽天的(で責任感の希薄)なイタリア人にも似たような春先から6月にかけての気分の浮き沈みがある。今回はそれを紹介する。
①Aprile, dolce dormire.
(意訳:4月は眠気に誘われる。)
日本の感覚で言うと『春眠暁を覚えず』に近い。
どうやら(昔の)イタリア人にとって気分が落ち込むのは4月のようだ。
②Forza e coraggio, che dopo aprile viene maggio.
(意訳:頑張って勇気を出して!4月(重たい時期)は追い払われて5月がやってくる。)
日本の感覚で言うと『止まない雨はない』に近い。
4月の怠けや暗い気持ちを追い出すかの様にも使われたり、人を元気付けたり、やる気を出させたりするときに使う。その一例としてコロナのロックダウン時にこの言葉が書かれた大弾幕がとある家のベランダに掲げられていた。
③Giugno, la falce in pugno.(意訳:6月は鎌を(麦の収穫のために)握りしめろ!)
5月の気分が上がった雰囲気をそのままに、6月はヨーロッパの一大穀倉地域であるイタリアでは麦収穫(労働)で活気つく。
①②③はともに故事成語ではある。
しかし、このように時期による気分や行動の故事成語が今でもイタリアでは使われている。
気分の浮き沈みは誰にでもあることなので、皆さん無理をせずに乗り切っていってほしい。
Forza e coraggio, che dopo aprile viene maggio!
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