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【小論文】添削の効果を最大限に引き出すための工夫とは

AZUKI

 

~ただ「赤ペンを入れてもらう」だけで終わらせない添削活用術~

小論文対策をしている高校生の中には、「とりあえず書いて提出して、直してもらえばいい」と考えている人も少なくありません。しかし、それでは添削の本当の価値を活かしきれていないのが現実です。

実は、小論文の添削を“受ける前後の工夫”によって、学びの質は大きく変わります。せっかくの指導を「直された=おしまい」で終わらせず、「次につながる成長の糧」にするにはどうすればよいのでしょうか?

この記事では、小論文をより良く仕上げるために、添削を活用するうえでの効果的なポイントと具体的な工夫を紹介していきます。


1. 添削の真の目的を見失わないこと

まず確認しておきたいのは、添削の目的が「誤字脱字を直すこと」だけではないということです。もちろん日本語表現としての正しさも大切ですが、それ以上に重要なのは次のような観点です。

  • 論理的に筋が通っているか

  • 主張と具体例に一貫性があるか

  • 文章構成が明快か

  • 読み手に納得感を与えられるか

こうした要素を自分一人で客観的にチェックするのは難しいからこそ、第三者による添削が大きな意味を持ちます。

しかし、何の準備もせずに文章を提出してしまうと、的外れなフィードバックになったり、十分な指導が受けられなかったりすることも。つまり、添削を「受ける側の姿勢」が成果を左右するというわけです。


2. 添削してもらう前にやっておきたい工夫

① 書いた目的や意図を明示する

どのような立場で、どんな主張を展開しようとしたのか。これを自分の中で整理し、添削者にも伝えておきましょう。

例:

  • 「テーマに対して肯定的な立場から書きました」

  • 「社会問題としての一面に焦点を当てました」

このような背景があるだけで、添削者は文章の意図を正確に読み取りやすくなり、本質的なアドバイスが届きやすくなります


② 「どこが不安か」「どこを見てほしいか」を伝える

添削を依頼する際に、「自分で気になっている部分」や「アドバイスがほしい点」を伝えておくと、よりピンポイントな指導が受けられます

例:

  • 「この具体例が適切か自信がありません」

  • 「主張の明確さが足りないかもしれません」

こうした一言が添えられているだけで、添削者も的確な指導がしやすくなります。


③ 設計図や構成メモを一緒に提出する

小論文を書く前に作ったアウトライン(導入→主張→理由→結論)を簡単に添えておくと、添削者が論の流れを把握しやすくなります

また、自分自身にとっても「最初に考えた構成と実際に書いたものがどう違うか」を振り返る手がかりになります。


3. 添削を活かせる人がやっている3つの行動

① 添削の指摘を「読んで終わり」にしない

添削された文章を受け取ったら、まずやるべきは「どうしてこの表現が直されたのか」を考えることです。

たとえば、接続詞の使い方や段落の構成など、なぜその指摘が入ったのかを自分なりに分析するクセをつけましょう。

可能であれば、次のような表を作ってみるのもおすすめです。

指摘箇所修正の理由今後の改善策「しかし」の使い方 前後の内容が逆接ではなかった 接続詞の意味を精査する習慣をつける

こうして自己分析することで、同じミスを繰り返すことが少なくなります。


② 「書き直し」をして初めて学びが定着する

添削コメントを読んだら、必ず一度は文章を修正・書き直す作業をしてみましょう。

このステップを踏むことで、「添削を受けた」から「自分の力で書けるようになった」へと成長が加速します。

  • 表現を改善した文章

  • 論理展開を修正した構成

  • 具体例の差し替え

など、実際に自分の手で改善策を試してみることが、力をつける近道です。


③ 上手く書けたパターンを蓄積する

何度も書いて添削を受けていくと、「この論の組み立てはうまくいったな」「この表現は説得力があるな」と感じることが出てきます。

そのような成功例は、ノートなどにストックしておきましょう。

  • よく使う導入文の書き出し

  • 主張の提示パターン

  • 具体例の展開法

こうした“自分だけの小論文テンプレート”を作っておくことで、次に文章を書くときに役立ちます。


4. オンラインでの添削を受けるときのポイント

現在は、オンラインで小論文の添削を受けられるサービスや家庭教師が増えています。自宅で効率よく添削を受けられる反面、「受け方」に注意しないと効果が半減してしまうこともあります。

活用のコツは以下の通りです。

◯ 添削方法を確認する

オンラインの添削にもいくつかのタイプがあります。

  • 文章に赤字だけが入るタイプ

  • 解説コメントがつくタイプ

  • 面談形式でフィードバックを受けられるタイプ

自分に合ったスタイルかどうか、確認しておきましょう。


◯ 添削結果を整理・保存する

返却された小論文は、次に活かすためにテーマごと・問題ごとに分類して保管しておくとよいでしょう。

  • 修正前と修正後を並べて比較

  • 指摘内容をノートにまとめて復習

  • 成長記録として振り返る

こうした習慣が、地道ながら確実なスキルアップにつながります。


5. 保護者の方へ:小論文添削の過程を温かく見守る視点

小論文対策は、一朝一夕で上達するものではありません。論理的に考え、言葉で表現し、フィードバックを受けながら試行錯誤を繰り返すことが求められます。

保護者の方には、次のような形でのサポートがおすすめです。

  • 添削結果だけでなく「どこをどう改善したか」を一緒に確認する

  • 添削が厳しい内容でも、「挑戦したこと」を評価する

  • 書き直しに取り組む姿勢を励ます

お子さんの努力は、確実に思考力・表現力として積み上がっていきます。焦らず長い目で見守ることが、本人の成長にとって何よりの後押しになります。


まとめ:添削は「文章指導」ではなく「思考の育成」

小論文において、添削は単なる“赤ペンチェック”ではありません。それは、自分の思考を磨き、他者の視点を取り入れ、よりよい表現へと進化させるプロセスです。

だからこそ、「ただ提出する」「返却されたら終わり」という姿勢では、大きな学びは得られません。

  • 書く前の準備

  • 添削者との対話

  • 書き直しによる定着

これらを丁寧に積み重ねていくことで、小論文は確かな武器になります。

ぜひ今日から、「添削を受ける姿勢」を一歩深めてみてください。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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