今日は、「できないとすぐに“もう無理!”と口にしてしまう子」について書いてみたいと思います。
レッスン中、ちょっと難しいフレーズに入った瞬間、
「もう無理!できない!やりたくない!」と手を止めてしまう子。
悔しさや不安が一気にあふれてしまって、
涙が出たり、うつむいてしまったりすることもあります。
こうした反応は一見、投げやりにも思えるけれど、
実際にはその子がとても一生懸命だからこそ出てくる言葉です。
本当にやりたくないのではなく、
「できなかった自分をこれ以上見たくない」
「失敗してがっかりされるのが怖い」
そんな気持ちの現れだと感じます。
だから私は、「無理!」という言葉に、すぐに反論せず、
「そっか、そう感じるんだね」とまずは受け止めて、
そのあとで、小さな一歩の提案を。
「全部じゃなくて、最初の1小節だけ一緒にやってみる?」
「この1音だけでいいから、弾いてみようか」
すると不思議なことに、ほとんどの子が少しずつ前に進み始めます。
そして、レッスンの最後にはやっぱり、
今日注意されたことや挑戦したことを、自分で思い出して書く時間。
たとえ最初に「もう無理!」と言っていたとしても、
最後に「やってみた」経験を整理して帰ることで、
次の週にはまた少しだけ自信をもって来てくれる。
こうした子たちは、自分の中にある“できない記憶”がとても強いだけ。
でもそれは裏返せば、“ちゃんとやりたい”という思いがある証拠です。
私自身も、ピアノや語学の勉強で「もう無理」と思ったことは何度もありました。
でも、振り返ると、そういうときに小さく挑戦できた記憶が、
あとで大きな支えになっていた気がします。
できなかった時間も、できるようになる準備。
そう思って、「また挑戦しよう」と思えるレッスンを、これからも届けたいと思います。
かな
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