人前で弾くと急に力が出せなくなる子

Kana K

人前で弾くと急に力が出せなくなる子

ピアノスクールかなでのかなです!

 

レッスンではきちんと弾けていたのに、

人前に立ったとたん、手が震えて止まってしまう。

そんな生徒に出会うことがあります。

 

普段からしっかり練習していて、

表現にも気を配っているような子ほど、

本番での“失敗”に強いショックを受けてしまうこともあります。

 

緊張で止まってしまう子の気持ち、すごくよくわかります。

 

小さい頃、私自身もコンクールで緊張のあまり、演奏が途中で止まってしまったことがありました。しかも数回も。。。

頭が真っ白になって、どうしても次の音が出てこなかった。

そのとき、母に「情けない」と言われて、ものすごく落ち込んだのを覚えています。

 

努力してきた時間が一瞬で否定されたような気がして、

その経験は今もよく夢に出てきたりします。

 

でも、そんなときに驚いたのが、

普段とても厳しかった先生が、

「まーよく頑張ったよ」と一言言ってくれたこと。

 

たったそれだけの言葉だったのに、

何となく救われた気がしたのを今でも覚えています。

 

本番に弱い=ダメな子じゃない。

それは、誰よりも真剣に向き合ってきた証です。

 

だから私は、緊張して力が出せなかった子に、

「今日はどこがうまくいったと思う?」と聞きます。

本人が言えなくても、こちらから

「よく止まらず最後まで行けたね」

「いつもよりずっときれいな音が出てたよ」と伝えるようにしています。

 

そしていつものように、

注意されたことと一緒に、“褒められたこと”も思い出して書いてもらう。

 

人前で弾く経験は、たった数分でも、その子の中に深く残ります。

その時間が、「失敗した記憶」だけで終わらないように、

小さな成功や、救いのような言葉がちゃんと残るレッスンでありたいと、いつも思っています。

 

本番に力が出せなかったこと以上に、

そのあとにどんな言葉をかけられるか、どう受け止めてもらえるかが、ずっと心に残るのかもしれません。

 

かな

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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