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【漢文】漢文が苦手な人でも得点源にできる理由を引き立てるコツ

AZUKI

 

「漢文、まったく読めないし、やる意味あるの?」
「なんとなく避けてきたけど、共通テストで必要と言われて焦っている」
「漢字が多すぎて頭が痛くなる…」

このように、漢文に対して苦手意識を抱いている高校生は少なくありません。特に文系・理系問わず、現代文や古文に比べて後回しにされやすいのが漢文の現実です。

しかし、実は漢文こそ「短期間の努力で結果が出やすい」分野であり、受験勉強において大きなアドバンテージになる教科でもあります。つまり、苦手な人ほど“得点源”にできる可能性が高いのです。

本記事では、なぜ漢文が得点源になりやすいのか、その理由と具体的な勉強のコツ、保護者のサポートポイントまでを網羅的に解説します。


1. 漢文は「暗記とパターン」で攻略できる教科

古文や現代文と比べたときに、漢文には大きな違いがあります。それは、「文章を完全に読めなくても点が取れる」という点です。

どういうことかというと、漢文は以下のような特徴を持っています:

✔ 出題パターンが少ない

共通テストや各大学の入試問題での漢文は、「読解」よりも「句法理解」や「返り点の知識」、「読解パターン」に重きが置かれます。つまり、よく出る句法・構文・意味を“覚えてしまえば”得点しやすいのです。

✔ 短文中心・時間がかからない

1つの設問につき、文章量が少ないため、試験時間を圧迫しません。効率の良い得点源となります。

✔ 現代語訳や設問が選択式

本文が多少読めなくても、選択肢の比較や消去法で正解を導ける問題が多く、「部分理解」で十分に得点できるのです。


2. 漢文が苦手な人に共通する3つの誤解

誤解1:漢字が難しすぎる

→ 受験漢文では“訓読”と“句法”が中心で、漢字の意味を一字一字覚える必要はありません。むしろ、頻出語だけを覚える方が効率的です。

誤解2:文章の意味がとれない

→ 現代語訳を頼りにしながら、「主語と述語」「誰がどうしたか」だけを追えば十分に内容はつかめます。全文読解は必要ありません。

誤解3:勉強法がわからない

→ 漢文は「句法・語句の暗記→演習」のシンプルな構造です。他教科に比べて戦略が立てやすく、誰でも取り組みやすいのが特長です。


3. 得点源にするために最初にやるべき3ステップ

ステップ1:句法を10個覚える

まず、入試で頻出の漢文句法を10個だけ覚えましょう。代表的なものには以下があります。

句法意味例不〜(〜ず) 否定 不知(知らず) 無〜(〜なし) 存在否定 無人(人なし) 使〜(〜をして〜しむ) 使役 使人学(人をして学ばしむ) 為〜所〜(〜の〜する所と為る) 受身 為友所愛(友の愛する所と為る) 若〜(〜ごとし) 比況 白玉の如し(白玉のごとし)

このレベルの知識でも、共通テストや模試の漢文では十分に対応可能です。

ステップ2:返り点の読み方を理解する

返り点(レ点、一二点、上下点など)は、読みの順序を示す「地図」です。最初は混乱しますが、5つ程度のパターンを覚えれば読み方に慣れます。

読み方の訓練は、短文でOK。10文程度を丁寧に訓読練習すれば、驚くほど漢文が読みやすくなります。

ステップ3:現代語訳とセットで読む

問題演習をする際には、必ず「現代語訳」と「本文」を照らし合わせながら読む習慣をつけましょう。

ここで大切なのは、「なぜこの漢字がこう訳されているのか?」を考えること。それが句法・語義・構造理解へとつながります。


4. 得点力を引き立てる実践的コツ

コツ1:出題パターン別に対策する

漢文にはよく出る設問パターンがいくつかあります:

  • 内容一致問題(本文と最も一致する選択肢)

  • 句法識別問題(適切な意味や語法の判断)

  • 主語・述語・目的語の特定

  • 心情・理由・背景の推測

これらはどの模試でも基本形なので、「パターン別演習」を行えば得点の安定性が高まります。

コツ2:現代語訳を読むだけの“片手間勉強”はしない

現代語訳だけを見て満足するのではなく、「なぜこの訳になるのか」を本文に戻って検証することが大切です。これが“理解”と“記憶”をつなぐポイントです。

コツ3:古文とのセット学習で定着

同じような助動詞、語順、省略の仕方がある古文と並行して学ぶと、文法構造への理解が深まり、相乗効果が生まれます。特に「主語の省略」や「心情表現」は共通点が多いため、リンクしながら覚えると効率的です。


5. 1日15分×1ヶ月で成果を出す漢文勉強プラン

週学習内容時間配分1週目 句法10個の暗記+返り点の読み練習 15分×7日 2週目 基本構文の音読+問題演習3題 20分×5日 3週目 過去問の設問分析+現代語訳との照合 30分×3日 4週目 苦手句法の復習+模試形式で通し演習 40分×3日

短期間の集中と繰り返しで、安定して7〜8割得点できる実力がつきます。


6. 保護者の方にできるサポートとは?

漢文の勉強は、自主的に取り組みづらい分野です。保護者のちょっとした声かけや環境づくりで、やる気が出ることもあります。

  • 漢文の勉強時間を決めたら、見守る(強制ではなく“応援”)

  • 「こんな言い回し、今も使うね」など日常とのつながりを話題にする

  • 漢字を一緒に読む・確認してあげる(親子で音読もおすすめ)


まとめ:漢文こそ最もコスパの良い「得点源」

漢文は苦手意識を持っている人ほど、正しいアプローチを取ることで一気に得点が伸びる教科です。

  • 出題パターンが限られていて、暗記で対応できる

  • 短文中心で、試験時間のコスパが良い

  • 読解力よりも“句法知識”と“処理力”が問われる

つまり、漢文は“読む力”ではなく“処理力”の教科。テクニックとパターン認識で攻略できる、受験において最も戦略的な武器のひとつです。

「苦手だから後回し」はもったいない。
「苦手だからこそ、今がチャンス」です。

早めに基礎を固め、確実な得点源に変えていきましょう。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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