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甘い牛乳に込められた記憶——文化大革命と旺仔(ワンザイ)牛奶 (ニュウナイ)

Sae.O

中国のスーパーに行ったことある人なら必ず見たことあるであろう
売られているあの有名な「旺仔(ワンザイ)牛奶  」
これ、加糖牛乳でめちゃくちゃ甘い牛乳なのです!!

なぜ「旺仔(ワンザイ)牛奶  」は牛乳に砂糖が入っているのか?!

実は文化大革命時代に遡るのです!!

それは、飲料に刻まれた“時代の味”

どういうこと?!

これから説明しよう!!

「旺仔牛奶(Wangzai Milk)」——中国で誰もが知る甘いミルク飲料。
けれど、これは単なる清涼飲料ではありません。
それはある世代にとって、時代の記憶を呼び起こす“懐かしの味”なのです。

ミルクのない幼少期に育った元・中国人上司の話  
かつての私の元・中国人上司(当時55歳)は、文化大革命の只中で幼少期を過ごしました。
国全体が貧しく、母乳や粉ミルクが手に入らなかった時代。
彼の家では、すり潰したとうもろこしや山羊のミルクで命をつないでいたそうです。
ただし山羊乳は幼児には風味の癖が強すぎて、受けつけられない子も多くいました。  
そのため「牛乳を飲んだことがないまま育った」という世代が誕生したのです。

 甘い牛乳の誕生:味覚が語る時代背景  
のちに中国社会が安定し、牛乳が普及しても、プレーンな牛乳の味に馴染めない人々が多かったといいます。そこで自然と「砂糖を加えて飲む」文化が根づき、
1996年には旺旺(ワンワン)グループから砂糖入りの「旺仔牛奶(ワンザイニュウナイ)」が誕生。
これは、“苦い”時代を乗り越えた世代にとって、心を癒す「飲みやすい牛乳」として広まっていったのです。

味覚=文化の記憶  
この話を通じて私が学んだのは、
**味覚は単なる嗜好ではなく、「文化」と「記憶」の結晶である**ということ。
一本の飲み物にも、その背景には社会の変化、生活の困難、そして生き抜いてきた人々の物語が染み込んでいます。

言語教育にできること  
このようなエピソードは、単語や文法を超えた「異文化理解」の入口になります。
味、記憶、体験を通して学ぶことで、
言葉の背景にある世界を肌で感じる——それこそが、言語教育における本当の“深み”なのではないかと思うのです。

このような実体験に基づくエピソードを通じて、
皆様にも中国の近現代史と消費文化のつながりを感覚的に理解していただけたら嬉しいです。
  
私の授業では、実際に自分がリアルな現場で身につけた生きた中国語や中国文化、そして本当にあった中国ビジネスの話を交えて、皆様に伝授していきます。ぜひお待ちしております♪

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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