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【小論文】小論文の「型」を身につける3ステップ

AZUKI

小論文試験は、多くの高校生・大学受験生にとって苦手意識が強い分野の一つです。理由のひとつは、「何を書けばいいのか分からない」「文章の構成がつかめない」「時間内にまとめきれない」といった悩みがあるからでしょう。こうした問題の解決に最も効果的なのが、文章を書く上での「型(構成)」をしっかり身につけることです。

小論文の「型」は、ただのテンプレートや機械的な枠組みではなく、思考を整理し、自分の意見を論理的に伝えるための骨組みです。これが身につくと、文章の質が上がり、試験本番でも焦らずに書き切ることができます。

この記事では、小論文の「型」を身につけるための3つのステップを具体的に紹介します。高校生や保護者の方が、小論文の基礎力を効率よく伸ばすための道筋としてぜひ参考にしてください。


■ ステップ1:小論文の基本構成を理解する

小論文には一般的に、序論・本論・結論という三つのパートがあります。これを理解することが、文章の「型」を身につける第一歩です。

序論
課題文やテーマの背景説明、問題提起を行い、論じるテーマを明確にします。読者の関心を引き、何について書くのかを示す役割があります。

本論
自分の意見や主張を複数の理由や根拠を用いて具体的に説明します。論理的な展開で説得力を持たせることが重要です。多くの場合、2〜3の理由に絞って展開するとまとまりやすくなります。

結論
本論の内容を簡潔にまとめて、再度自分の意見を強調します。場合によっては、今後の展望や提言も加えて締めくくります。

この三つのパートは、どんなテーマの小論文でも基本的に共通する構成の「型」です。まずはこれを頭に入れて、どの段落で何を書くかをイメージすることから始めましょう。


■ ステップ2:具体例を使って「型」の練習を重ねる

型の理解だけでは実践的な力はつきません。次に大切なのは、実際に「型」に沿って書く練習を繰り返すことです。

  1. テーマ設定
    まず、身近な社会問題や学校生活、未来の夢など、比較的書きやすいテーマを設定します。初めは400字程度の短めの小論文が望ましいです。

  2. 構成メモの作成
    序論・本論・結論の3パートで書くべき内容を箇条書きにします。例えば、
    ・序論:「環境問題が深刻化している現状」
    ・本論1:「リサイクルの重要性」
    ・本論2:「省エネの効果」
    ・結論:「個人の行動が未来を変える」

  3. 下書きの執筆
    構成メモをもとに、各パートを具体的な文章に展開していきます。この段階では完璧さは求めず、とにかく書き切ることを意識。

  4. 振り返りと改善
    書き終えたら、自分で読み返し「論理のつながりはスムーズか?」「具体例はわかりやすいか?」をチェックします。可能なら先生や友人に見てもらい、アドバイスをもらいましょう。

この流れを何度も繰り返すことで、「型」の使い方が自然に身につき、論理的な文章を書く力が養われます。


■ ステップ3:テーマ別に「型」をアレンジし応用力をつける

小論文はテーマによって求められる書き方や視点が異なります。ステップ1と2で基本の「型」を身につけたら、次はテーマ別に型をアレンジして書く練習をします。

例えば、

社会問題系:課題提起→原因分析→解決策提示→結論
意見表明系:賛成・反対の立場提示→理由の展開→反論の予防線→結論
体験談系:経験の紹介→その意味づけ→一般化→結論

こうしたバリエーションを意識しながら書くことで、どんなテーマでも柔軟に対応できる応用力がつきます。

また、試験の制限時間内に書き切るために、「構成メモ作成→書く」という流れのスピードアップも意識しましょう。時間を計って繰り返すことで本番の緊張にも強くなります。


■ 小論文の「型」習得でよくある質問

Q1:型に当てはめると文章が単調になりませんか?
→ 基本の型をベースに、自分の意見や具体例を豊かに盛り込むことで個性は出ます。むしろ型があることで論理的に伝わりやすい文章になります。

Q2:構成メモを作る時間がなくて焦ります。どうすれば?
→ 最初は5〜10分かけて構成メモを作りましょう。慣れてくると短縮でき、本番でも3分程度でメモを作れるようになります。

Q3:型を身につけた後はどう勉強すればいいですか?
→ 実際の過去問を活用し、様々なテーマで書いてみることが重要です。また、添削を受けて改善を続けましょう。


■ まとめ:型を使いこなして自信をつけよう

小論文は「何を書けばいいか分からない」という壁を乗り越えることが第一歩です。そのために「型」をしっかり身につけることが非常に効果的です。

  • 序論・本論・結論の基本構成を理解し

  • 構成メモを作って書く練習を繰り返し

  • テーマ別に応用して型の幅を広げる

これらのステップを積み重ねれば、試験での小論文は恐れるものではなくなります。文章の骨組みを整えることで、自分の意見が相手に伝わりやすくなり、得点も安定します。

小論文は「書く技術」と「考える技術」の両方が必要な教科です。型を習得し、論理的思考力を磨きながら、自信をもって挑戦してください。あなたの合格を応援しています。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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