日本語を勉強していると、「この文は文法的に正しい」「これはまちがい」と教えられることが多いですよね。
でも、日本語は文法が正しくても、へんに聞こえることがあります。
たとえば、あなたがカフェでアルバイトをしているとします。
お客さんに飲み物を出すとき、こう言いました。
「こちら、お飲み物でございます」
これは文法的には正しいですし、敬語としても完ぺきです。
でもそのカフェが、学生や若い人が多いカジュアルなお店だったらどうでしょうか?
お客さんは「えっ、そんなにかたく言わなくても…」と感じるかもしれません。
反対に、ホテルや高級レストランであれば「お飲み物でございます」は自然で丁寧に聞こえます。
このように、日本語では「文法が正しい」だけではじゅうぶんではありません。
その場に合った言い方がとても大切です。
ここで、わかりやすいたとえを出しましょう。
それは、「スーツを着て海に行く」ようなものです。
スーツはきちんとしていて正しい服です。
でも、海やプールに行くときにスーツを着ていたら、まわりの人に「おかしいな」と思われますよね。
服が悪いのではありません。場面に合っていないのです。
日本語も同じです。どんなにていねいで正しくても、使う場所や相手に合っていなければ、不自然になってしまいます。
大切なのは、「正しいかどうか」ではなく、「その場に合っているかどうか」。
日本語をうまく使える人とは、「文法が強い人」ではなく、「場面に合わせて自然に話せる人」です。
あなたも、「ちょうどいい日本語」を目指してみませんか?
コメント (0)