8月の株式市場は「夏枯れ相場」と呼ばれ、大口投資家の夏季休暇により取引量が低下しやすい傾向があります。このため、相場全体は軟調となり、大きな上昇は期待しづらい季節といえます。
特にハイテク株はこの時期に弱含む傾向があり、短期的な値上がりを狙った積極的なトレードは控えるのが賢明です。市場の流動性が薄くなることで、思わぬ値動きに巻き込まれるリスクもあるためです。
では、このような相場で何もしないのが正解かというと、必ずしもそうではありません。むしろ、この時期は次の買い場に備える重要な準備期間と捉えるべきです。無理にポジションを持つのではなく、現金比率を高めておくことで、今後の相場反転時に柔軟な対応が可能になります。
一方で、すべてを現金化する必要はありません。長期投資を前提とした積立投資、特にハイテクや半導体分野への定期的な買付けは、相場環境に関係なく続けることが望ましいでしょう。また、夏場に相対的に強さを見せるディフェンシブ銘柄(例えば電力や通信といった公共事業セクター)への分散投資も、値動きの穏やかさから注目されています。
市場参加者が減る時期だからこそ、焦らずに全体を俯瞰し、自身の資産配分や投資方針を見直す機会として活用することが大切です。夏枯れ相場は一時的なものに過ぎません。冷静な判断と余裕を持った資金戦略が、秋以降の投資機会につながっていきます。
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