Jazzは歌詞を理解して歌いましょう

Jazzを歌う時、発音ももちろん大事ですが、やはり「歌詞」の内容を理解して歌うと深みが違います。Jazzの歌詞は1940-50年代に書かれたものも多く、古い言い回しや比喩が使われていますが、それを現代でもあえてそのまま歌っているのが実情。日本語の歌でもあることですね。

特徴が出る1番目は「固有名詞」で、その歌詞が書かれた当時には流行っていてみんなが知っていた言葉。

例えば「I Can’t Give You Anything But Love」には「Diamond bracelets Woolworth's doesn't sell, baby」という歌詞が出てきます。「Woolworth」はかつて全米でチェーン展開していた雑貨小売店の名前で、イメージとしては「安物のアクセサリーとか売っている場所、まじめにプレゼントとか買う店じゃない」という感じ。

「But Not For Me」のヴァース（前節）部分には「Beatrice Fairfax don't you dare, Ever tell me he will care」という歌詞があり「Beatrice Fairfax」というのが謎です。調べてみると、米国の新聞に長年「恋愛相談コラム」を書いていて人気だった人のようです。「彼女ならもっともらしく助言してくるかもしれないけど」という感じ。

https://en.wikipedia.org/wiki/Marie_Manning_(writer)

2番目は「歌詞に登場する動植物」です。日本でも例えば「向日葵（ひまわり）」とか「白い鳩」とか特定のイメージを伴って歌詞に使われますよね。向日葵が登場するのに暗い曲とかあまり聴いたことがありません。英語でも同様に特定のイメージを表現するのに使われる動植物がかなりあります（現代ではそのイメージがすでに共有されていない場合も）。

例えば「skylark」は「雲雀（ひばり）」で「澄みきった青空に向かって天高く羽ばたく」象徴として「希望」や「恋の喜び（の予兆）」として歌詞に登場します。そのままタイトルになっているジャズ曲もありますね。

「daffodil」も歌詞によく登場する花で「ラッパ水仙」、特に英国では「春を待ちわびる」「春を告げる」イメージが共有されているようです。「Secret Love」の歌詞には「Even told the golden daffodils」という箇所で「秘めていた恋心を抑えきれずに皆んなに告げてまわる」対象として使われています。場面がパッと明るくなるような気がします。

私のレッスンではこんな風に少し歌詞の背景も説明しながら、それをどう表現するかを一緒に練習していきます。興味のある方、ぜひお問合わせください。