授業の合間に、先生からお薦めされた対位法の本を借りに図書館へ行ったので、試しに対位法の本、どれだけあるだろうと思って検索してみたところ、760冊ありました。
アジア最大と言われる母校・国立音大の図書館でも、対位法の本は350冊。それでもかなり多いですが、その2倍以上。16世紀から20世紀まで、時代順に対位法の本があるし、作曲家ごとの対位法の本もたくさんありました。
16世紀の対位法の本をパラパラとめくってみても、ネウマ譜で書かれた作品の分析から始まって、日本ではあまりアクセスする機会のなかった、興味深い情報ばかりです。
対位法だけでこれなのだから、和声や楽曲分析、音楽史など、一生かかっても読みきれないでしょうし、またこうした本を読みこなすにはドイツ語の能力が足りませんが、それでもこれらを苦労して読んでいけば、自然とドイツ語も身につくはずですし、休みを利用して、一日中図書館にこもって読んでいきたいな、と思いました。

日本で音楽理論書を集めていたときは、上野の資料館で出版目録を見て探したりしていました。日本語に翻訳される本は多くなく、しかも有益な本もすぐ絶版になってしまうので、絶版になった貴重な理論書は今でも5万円とかで取引されていたりします。
それゆえ、そういった文字通りに"ありがた〜い"本を先生に見せてもらったり、そのコピーを学生同士で共有しあったりする経験は、それはそれですごく良い思い出にもなっています。(一方でみんなが同じ本で学ぶことで、正解が唯一化してしまう、権威主義的な傾向もあるかなあと思ったりもしたましたが)
ともあれ、こうしてたくさんの本にアクセスできる環境は、やっぱりとてもわくわくします。

学校の図書館の窓からの景色が、素朴で好きです。
ふと、おじいさんになってもドイツで音楽理論の本を読み耽っている自分が思い浮かびました。ファウストみたいに、読めば読むほど、真理には辿り着けないで、虚無を悟って、それで絶望して、最後には悪魔と契約してしまうのかもしれないな、などと思いました。
まあ、そこまで勤勉ではないので、そんな心配の必要は到底ありませんが。
ともあれ、好きな本がたくさんあるのは嬉しいことです。
たくさん読んでいきたいと思います。
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