※「京都徒然(つれづれ)」は、わたしが京都にいるときに見たこと、感じたことをお伝えするコラムです。
( 徒然(つれづれ)…何もすることがなくぼんやりしていること)
京都です。
紅葉(こうよう)はまだですが、
11月の京都は、金木犀(きんもくせい)のほのかな香(かおり)が漂(ただよ)っています。
すぐに逃(に)げてしまう微(かす)かな香(かおり)です。
今日も、平安神宮(へいあんじんぐう)から鴨川まで歩きました。
疏水(そすい)沿(ぞ)いに、
ところどころ金木犀(きんもくせい)が植(う)えられています。
金木犀(きんもくせい)は、花よりも先に香(かおり)に気がつきます。
歩いていると、時々、どこからかほのかな香(かおり)が漂(ただよ)い
そして花に出逢(であ)います。

住宅地(じゅうたくち)の中でも、
いたるところで
家の庭に植(う)えられている金木犀(きんもくせい)の香(かおり)に気がつきます。
もともとは中国の原産(げんさん)で
日本に伝えられたのは江戸(えど)時代のようです。
ですから、平安(へいあん)時代の日本の和歌には
金木犀(きんもくせい)は歌われていません。
平安(へいあん)時代に金木犀(きんもくせい)が伝えられていれば
紫式部(むらさきしきぶ)や清少納言(せいしょうなごん)が、
この香(かおり)を
どんなに艶(あで)やかに歌ったのか、
それを知ることができないのが残念です。
でも、なぜでしょう、
この香(かおり)に出逢(であ)うと
それまで少し気分がふさいでいても
その瞬間(しゅんかん)にうれしい気持ちになります。
街を歩いていても
ふとした出逢(であ)いにしか感じられない香(かおり)ですが
私にとっては、大切(たいせつ)な11月の香(かおり)です。
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KOBA
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