嗅覚は五感の中でも特別で、香りは脳の「記憶」や「感情」を司る部分に直接働きかけます。
精油の香りが脳を活性化させ、認知症の予防や記憶力の維持に役立つことが研究で分かっています。
何年か前にテレビで取り上げられたあと、世の中から「ローズマリー精油が消えた」という現象を呼び起こした、朝と夜の芳香浴については、ご存知の方も多いかもしれませんね。
鳥取大学医学部の教授が軽度認知障害の高齢者を対象に、次のような方法でアロマを使った結果、記憶力や見当識の改善が確認されたというものです。
•朝(2時間):ローズマリー・カンファー精油+レモン精油
•夜(2時間):ラベンダー精油+オレンジ・スイート精油
•期間:毎日続けて28日間
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◆朝におすすめの香り
ローズマリー・カンファー + レモン
朝は脳を目覚めさせる時間。
スッとした清涼感のある香りが、頭をクリアにして集中力を高めてくれます。
•ローズマリー・カンファー:脳の血流を促し、記憶力・集中力をアップ
•レモン:明るく前向きな気持ちにしてくれる
ローズマリーにはいくつか種類(ケモタイプ)がありますが、認知症予防には「カンファータイプ」(シャープでスパイシーな香り)が使われています。
呼吸器ケア向きの「シネオールタイプ」とは異なるので、購入時は表記をチェックしましょう。
ディフューザーで拡散してもいいですし、ティッシュやアロマストーンに精油を垂らして、朝の2時間ほど香らせます。

◆夜におすすめの香り
ラベンダー + オレンジ・スイート
夜は脳と心を休ませる時間。
穏やかで温かみのある香りが、緊張をほどき、安眠を助けてくれます。
•ラベンダー:自律神経を整え、深いリラックスへ
•オレンジ・スイート:安心感を与え、穏やかな眠りへ導く
寝る前1時間前くらいからの2時間、ディフューザーや枕元のストーンに香らせるといいです。
寝る直前に精油の香りを嗅ぐと、脳に新しい情報が入ってきてしまい、一旦、覚醒してしまうので、寝る前のアロマセラピーは寝る30分前くらいまでがおすすめです。

朝、シャープな香りで脳を目覚めさせ、夜はやさしい香りで深く休む。
毎日の暮らしの中で、脳と心をやさしく整えるのに精油はとてもいい働きをしてくれますよ!
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